ダイビングで使うドライスーツって?ウエットスーツとの違いを大解剖!
更新日:2024.10.19.Sat   投稿日:2020.01.28.Tueダイビング初心者にとって、ダイビングで着るスーツ選びは非常に重要です。たとえば、いきなりエア抜きが難しいドライスーツを選ぶと潜ることが難しくなるなど、ダイビング自体に支障をきたしてしまう可能性もあります。
ここではそうした失敗を避けるために、初心者でも使いやすいスーツはどんなものか、その選び方のポイントをご紹介します。
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ドライスーツの種類
ドライスーツは大きく分けてネオプレーンタイプとシェルタイプがあります。それぞれで特徴が異なるため、ダイビング時の水温や着心地によって使い分けましょう。
ここからは、ネオプレーンタイプとシェルタイプそれぞれの特徴をご紹介します。
ネオプレーンタイプのドライスーツ
ネオプレーンタイプは、日本で最も一般的なドライスーツで、日本で使用されているドライスーツの8割はネオプレーンタイプといわれています。
ネオプレーンタイプのドライスーツは日本では主流のため、さまざまなデザイン・サイズが発売されています。そのため、好みに合うデザインや、自分の体型に合った製品を見つけやすいとされています。自分好みのデザインが見つからない場合や、体型にジャストフィットするドライスーツを着用したい場合には、オーダーメイドでオリジナルのドライスーツを作ることもできます。
また、価格としても幅広い価格設定になっておりますので自分のご予算にあった物を購入することが可能です。
ネオプレーンタイプは、ネオプレーンゴムの中の生地に、ジャージを貼った生地が使用されています。そのため、スーツ自体に保温性があることにより保温効果が高く、薄めのインナーでダイビングが楽しめる他、水温の低い場所でもダイビングを楽しむことができます。
シェルタイプのドライスーツ
シェルタイプのドライスーツは、日本では見かける機会が少ないものの、海外では主流となっているドライスーツです。日本では主に作業ダイバーや、プロダイバーが着用しています。販売しているショップが少なく、販売していても比較的高い価格設定です。また、オーダーメイドを受け付けているショップが少なく、既製品から体型に合った物を探す必要があります。
そんなシェルタイプは、レインコートに似た防水素材で、スーツ内に水が侵入しにくいという特徴があります。一方でスーツ自体に保温機能がないため、ネオプレーンタイプに比べると保温性が劣り、インナーを着こまなければなりません。
気になるドライスーツの価格相場
国内製造で修理やメンテナンスなどのアフターサポート体制が定評の「World Dive」の2024年ドライスーツカタログで価格相場をご紹介します。
・ネオプレーンタイプのドライスーツは194,700円〜322,300円
・シェルタイプのドライスーツは339,900円〜372,900円
ネオプレーンタイプに比べてシェルタイプは価格が高い傾向にあります。ただ、身体全体を採寸して作るフルオーダーの費用や、付属品として専用バッグ、インナー、アンクルウェイト、リストバンドなどが必要になるので、詳細はダイビングショップで確認しましょう。
購入のタイミングは自分が必要だと思った時ですが、日常の様々な機器やエネルギー同様、ダイビング器材も原材料高騰により値上がりをしています。記事執筆時の2022年価格相場と2024年との差は以下の通りです。
・ネオプレーンタイプは184,250円〜309,100円(最大で+13,200円)
・シェルタイプは280,500円〜367,400円(最大で+59,400円)
価格が高い分、値上がりの差も大きくなります。セールやキャンペーンを活用して上手に購入しましょう。
【関連記事】
ダイビング器材って購入した方がいいの?費用相場も徹底解説
ドライスーツインナーの種類
ドライスーツは内側に着用するインナー次第で効力が変わってくることをご存じでしょうか?
どんなに高価なスーツを購入してもインナーが適当だと効果は半減し、多少安価なものでもインナーがしっかりしていれば快適に過ごせます。
ドライスーツ本体と同じくらいしっかり選びましょう。
フリースタイプ
フリースのような厚さで、着心地はフリースよりややしっかりしているものです。
ドライスーツ専用だと、相場は上下セットで各15,000円前後。
ややお高めに感じますが、宇宙のように人間が生息できない過酷な冷水の水中環境下で、快適に潜ることができるような生地や構造になっており、普段着用するフリースとは素材が異なります。
例えば筆者が愛用するサーマルボディスムーサー(World Dive)は保温性、通気性、撥水性、防水性、ストレッチ性と、ここまでダイバーのことを考えてくれるかと感謝感激のインナーで、10年以上愛用しています。
薄手のタイプ
ウェットスーツからドライスーツの切り替え時期に使用します。
こちらもWorld Dive製の上下セットは各6,000円前後。長袖も半袖もあり、当日の気温に合わせて着脱すると快適に過ごすことができます。
着なくなったお古の半袖Tシャツなどの代用もありですが、ドライスーツでの環境下を考えて、保温性と撥水性があるものを選びましょう。
ちなみにUNIQLOのヒートテックなどは濡れたり汗をかいたりすると効力がなくなり、むしろ体温を奪うことにもなりますので、ドライスーツのインナーとしてはおすすめしません。スポーツ用品から選択しましょう。
ウェットスーツと兼用のタイプ
ウェットスーツと兼用できるタイプであれば、保管場所を取らずに、価格もおさえられます。
価格は上下で40,000円前後。
ウェットスーツのインナーとして考えると全体的にピッタリフィットしていることが必要で、ドライスーツのインナーとしては撥水性と浮力の少なさが大切です。
また、手首や首の部分がドライスーツに干渉しないようなデザインでないと、水没の危険性が高まることがあります。
ご自身の判断で兼用するのではなく、メーカーから兼用できると明言されている商品を購入しましょう。
もふもふ(超厚手)のタイプ
シェルタイプのドライスーツ用です。中綿素材が使用されており、ダウンジャケットや寝袋のようなふっくらとした作りで、陸・海に関わらずとても暖かく過ごすことができます。
ワンピースタイプで35,000円前後です。
ちなみに筆者は冬の極寒日に部屋着や、アウトドアでの寝袋として使用したことが数回あります。とても快適ですよ。
ドライスーツ用インナーのおすすめ
どのような環境下で潜るのかにもよりますが、一番のおすすめは「ドライスーツ専用」のフリースタイプです。
特に上述したサーマルボディスムーサー(World Dive)のような1着6役を兼ね備えたインナーだと、着心地・脱着・動きやすさ・においなど、ダイビング時に必ずかかるストレスを緩和させ、より快適な時間を作ることができます。
ちなみに中に薄い半袖を着用しておくと、暑い時に半袖になることもできるので便利ですよ。
インナー+ダイビングフードで快適に
ダイビングフードは格好がもじもじくんみたいになるので抵抗がある方もおられますが、寒さ対策には一番のアイテムです。
フードを被ることで、頭から抜けていってしまう身体の熱をおさえることができ、寒さからくる頭痛の予防にもなります。
フードの圧迫感や耳抜きが苦手な方は、キャップタイプがおすすめです。
ダイビングフードの詳しい選び方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。
ドライスーツ購入までの流れ
ダイビングに欠かせないドライスーツは、どのような流れで購入するのでしょうか。一般的な購入手順を確認しましょう。
1.ダイビングスタイルに合わせて素材・厚みを決める
まずは、良く潜る海域やシーズンなどを元に、海水温に合わせた素材・厚みを決めます。例えば、冬に潜る機会が多いダイバーは、保温性を上げるために厚みを出した方が良いでしょう。関東近海や西日本海域では、10月頃から6月頃までの約9ヶ月はドライスーツのシーズンなことと、厚みも3.5㎜の生地が主流です。
2.カラー・デザインを決める
次に、自分好みのカラーやデザインを選びます。最近では、カラーバリエーションが豊富で、好みに合ったカラーやデザインを選びやすくなっています。
3.全身30ヶ所以上のサイズを採寸
カラーやデザインが決まったら、男性は34カ所、女性は37カ所を採寸します。ドライスーツは体にジャストフィットしなければなりません。ただし、締めすぎるとダイビング中に苦しくなるため、あまり締めすぎないように測ることが大切です。正確に採寸できるように、プロに任せましょう。
4.支払い~受け取り
ドライスーツが完成したら、オーダーメイドにかかった金額を支払います。
発注から届くまでの目安は約2週間です。完成の連絡が来たら受け取りに行きましょう。なお、受け取りの際には保管方法を聞き、ご自宅で大切に保管ください。
修理・メンテナンスを考慮しましょう
ドライスーツはネットでも注文できます。しかし、ネット注文の場合、試着もできず採寸は自分で行うため不安が残ります。特に採寸はプロに任せて正確に測った方が良いでしょう。
また、ダイビングショップでオーダーすれば、購入後の修理・メンテナンスもお願いできて安心です。可能な限り、ダイビングショップで直接購入することをおすすめします。
購入後の保証内容や保証期間はダイビングショップによって違いますので、必ず確認をするようにしましょう。
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ドライスーツに関するよくある疑問
ダイビングにはさまざまなアイテムが必要ですが、安全に楽しむために欠かせないドライスーツ。そんなドライスーツに関して、さまざまな疑問が浮かぶ方も少なくありません。そこでここからは、ドライスーツに関する疑問の中でも、特に多い疑問についてお答えします。
ウエットスーツだけじゃダメ?
特に多い疑問が、「本当にドライスーツは必要なのか?」というものです。ウエットスーツだけでも問題ないと思う方も少なくありません。しかし、年中通してダイビングを楽しみたい方や、寒い海域に潜る際は、ドライスーツは必須です。
ウエットスーツのみでも問題ない環境は、海水温が23度以上となる夏の短い期間のみ。7月から9月までの約3ヶ月しかありません。水温が低い時期や海域で潜る機会があるダイバーは、ドライスーツを購入しておいた方が良いでしょう。
レンタルのドライスーツじゃだめ?
ダイビングアイテムの一部はレンタルでも問題ありません。しかし、ドライスーツは体型にフィットしたサイズでなければ、ダイビング中に水が入るなどのトラブルになりかねません。
レンタルのドライスーツは体にフィットしていないため、締め付けが強くて苦しい、緩すぎて水が入るなど、さまざまなトラブルの原因になります。
また、体の動かしやすさにも影響するため、ダイビングの上達への影響も懸念されます。
これらの点から、ドライスーツはレンタルではなく自前の物を使用しましょう。
ドライスーツはなぜ高額なの?
ドライスーツを購入しようとショップへ行くと、高額な製品がほとんどで驚いた方も多いのではないでしょうか。
ドライスーツが高額な理由は、生地の厚みや性能が影響しています。生地には既存の大量生産品もあれば、オリジナルの生地を使用している場合もあります。生地によって温かさだけでなく、耐久性やダイビング中の体の動かしやすさも違います。
安いドライスーツは、量産品のため体にフィットしにくい場合があります。
体に合っていたほうが圧倒的に使いやすいため、多少高額でも体型に合うドライスーツを選びましょう。
ドライスーツは使いこなすのが難しい?
ドライスーツはエアコントロールがあるため、ウエットスーツに比べて慣れるまで難しいと感じる方も少なくありません。
ドライスーツは、空気をうまく抜くことで快適に使用できます。ダイビング前にしっかりと空気を抜いておく、水中でも深さが変わるような場面ではしっかりと空気を抜くようにしましょう。
エア抜きは初めは難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえば簡単です。
スーツの種類によっては空気の抜きやすさが変わりますので、より快適にご使用いただくことができるものもあります。
ドライスーツは買ってからどれくらい使えますか?
ドライスーツは耐久性が高く、正しくメンテナンスをすれば何年でも使えます。一般的には、月に一回程度の頻度でダイビングをすると、5〜10年は使えます。
なお、快適性が落ちた時が買い替え時です。
サイズが合わなくなったらどうするの?
店舗によっては、サイズを再調整してくれる場合もあります。まずは店舗でサイズの再調整が可能かを確認しましょう。
多少の体型の変化はドライスーツの厚みによって調整できます。
脱いだ後のお手入れ方法は?
ドライスーツの耐久性は、脱いだ後のお手入れも大きく影響します。正しく手入れをして、少しでも長く使用できるようにしましょう。脱いだ後のお手入れ方法を簡単にご紹介します。
- ダイビングを終えたらスーツを着たままシャワーを浴び、スーツ表面の海水を洗い流す
- スーツを脱いだら裏返しにし、風当たりの良い場所で5〜10分干す
- スーツを表に返して干し、両面とも完全に乾かす
- ファスナーに潤滑剤を塗る
ドライスーツの保管方法は?
ドライスーツを保管する際は、ドライスーツ専用のハンガーを使用しましょう。ドライスーツ専用のハンガーであれば、スーツの肩部分に負担がかからないほか、ネック部分にしわができにくくなります。また、運搬時は必ずファスナーを閉め、ファスナーが破損しないように注意しましょう。
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