ダイビングに必要なドライスーツ|種類や選び方、着用方法などを解説!

更新日:2023.04.10.Mon   投稿日:2021.06.29.Tue

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ドライスーツとは

ドライスーツとは

まずは、ドライスーツとは何なのかという基本について確認しましょう。

ドライスーツとは、中に水が入らない仕組みのスーツのことです。ドライスーツの手首と首部分は、スキン生地で作られています。スキン生地は密着性と伸縮性に優れた生地です。これにより、水の侵入を防ぐことができます。さらに、足首とスーツ本体が一体化することで、水が入らないように工夫されています。

なお、低水温地域でダイビングしたい場合には、ドライスーツの下に、保温性と速乾性の高いインナーを着用しましょう。

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ドライスーツのメリット

ドライスーツを着るメリットは、水の侵入を防ぐだけではありません。ドライスーツを着用するメリットをご紹介します。

まずは保温力の高さです。ドライスーツは、シリンダーからスーツ内に空気を送ることができます。これは、ダウンジャケットを着た時と同様の保温効果があります。保温効果が高く、水深や水温に影響されることも少なく、インターバル(休憩)中も寒くありません。

また、疲れにくさもドライスーツのメリットです。水中での体温低下による体力の消耗を抑えることができるので、ダイビング後の疲労が軽減されます。

このように、着用することでさまざまなメリットのあるドライスーツは、近年ダイバーの中でも人気が高まっています。

ドライスーツは主に2種類ある

ドライスーツといっても、複数の種類があります。今回はその中から定番の2種類をご紹介します。それぞれの特徴を把握して、自分に合ったドライスーツを選びましょう。

フィット性のあるネオプレーンタイプ

日本で使用されているドライスーツの多くは、このネオプレーンタイプのドライスーツです。ネオプレーンタイプは、フィット性の高さが特徴です。生地には、ウェットスーツなどに用いられている、ネオプレーンゴムを使用し、内面にはジャージ生地が施されています。そのため、フィット性の高さだけではなく、保温性にも優れているため、薄めのインナーでもダイビングできます。
日本のドライスーツのほとんどを占めているため、他のタイプに比べてバリエーションも豊富で、予算や好みに合ったものを選びやすいのも魅力の一つです。

海外で主流のシェルタイプ

日本ではあまり馴染みはないものの、海外で主流なのがシェルタイプのドライスーツです。ナイロンやポリエステルなどの繊維質の生地を使い、内外面にはゴムなどを貼り付けているため、防水機能の高いタイプです。生地自体には保温性がないため、厚手のインナーを着用する必要があります。また、コンパクトで軽量なため、長時間着用していても疲れにくいという特徴もあります。
海外では主流なものの、日本では作業ダイバーや一部のプロのダイバーに着用されることがほとんどのため、バリエーションが少なく、価格帯は高めです。

ドライスーツはどう選ぶ?

ドライスーツはどう選ぶ?

前述の通りドライスーツには種類があり、それぞれで特徴が大きく変わります。ドライスーツを選ぶ際には、タイプの特徴以外にもサイズなど、自分に合ったものを選ぶことが大切です。そこで、自分に合ったドライスーツの選び方をご紹介します。

首・手首のフィット感

ドライスーツを選ぶ際に最も大切なのが、フィット感です。特に首と手首部分にぴったりとフィットするものを選ぶ必要があります。首や手首部分に隙間があると、水が侵入し水没の危険があります。逆にきつすぎると頚動脈を圧迫して体調不良の原因になることも。ゆるすぎず、きつすぎない、ジャストサイズのものを選ぶようにしましょう。

ファスナーの位置

基本的にドライスーツのファスナーは、背中にあります。背中ファスナーは開口部が広く着替えやすいという特徴がある反面、一人でファスナーを閉めることはできません。そんな背中ファスナーのメリットは、ダイビング中邪魔にならないことです。潜水中は動かすことの少ない背中にファスナーがあることで、邪魔にならず動きやすくなります。
一方で、前にファスナーがついたドライスーツもあります。前ファスナーは1人でも着脱しやすい構造です。しかし、前にファスナーがあることで、潜水中に邪魔になって動きにくいというデメリットもあります。
それぞれのメリットとデメリットを把握して、自分に合ったファスナーの位置のものを選びましょう。

オーダーという選択肢も

既製品のものがなかなか自分のサイズに合わない。そんな時には、オーダーメイドもおすすめです。自分の体型にぴったりと合ったドライスーツは、動きやすく疲れにくいため、ストレスフリーでダイビングを楽しむことができます。ジャストサイズの既製品が見つからない場合や、機動性を重視したい場合には、オーダーという選択肢も視野に入れてみましょう。
昨今、ドライスーツを購入する方の9割以上の方がこのオーダーメイドでドライスーツを購入しています。

インナーやアクセサリーを組み合わせよう

快適にダイビングを楽しむためには、ドライスーツ選びだけではなく、インナーやアクセサリーの組み合わせも重要です。おすすめのインナーと、アクセサリーをご紹介します。

保温性を高めるインナー

ドライスーツは、ネオプレーンタイプのものを選ぶことで、ドライスーツだけでも十分な保温効果があります。しかしより保温性を高めたい場合や、シェルタイプのドライスーツを着たい場合には、保温性の高いインナーを着用しましょう。ドライスーツを買う際に、セットでインナーも購入しておくことをおすすめします。
注意点として、普段着で着ている一般的なTシャツやトレーナーを着るのは避けましょう。これらは、汗をかくと体を冷やしてしまいます。

さまざまなアクセサリー

ドライスーツに合わせるアクセサリーは、さまざまなものがあります。今回はその中から、特におすすめのアクセサリーを6つご紹介します。

ネック・リストベルト

ドライスーツの首・手首シールの緩さをカバーできるアクセサリーです。リストシールの外側に装着することで、リストシールの機能を高め、防水機能を向上させることができます。

ネック・リストシール

首・手首シールの内側に着用し、シール部からの水没を防ぐ効果のあるアクセサリーです。首・手首シールのみの場合、関節を曲げた際にシワができてしまったり、血管などの凹凸により隙間ができてしまったりします。しかしネック・リストシールを内側に着用することで、隙間からの水の侵入を防ぐことができるでしょう。

フード

頭からの放熱は、体の冷えの原因になります。どんなに保温性の高いドライスーツを着用していても、頭から放熱していては意味がありません。頭からの放熱を防ぐために、必ずフードを被りましょう。

ウィンターグローブ

冬は他の季節よりも高い保温性のグローブを着用します。3mm厚のグローブが一般的です。単に厚みのあるグローブを選ぶのではなく、ウィンターグローブにすることで、水の侵入も少なくなります。
グローブは厚みが出ると、器材の操作がしにくくなります。なるべく操作しやすいように、ジャストサイズのものを選びましょう。

アンクルウエイト

足首に着用し、腰への負担を軽減するアクセサリーです。ブーツ部分にエアが入るのを防ぎ、水中でもバランスが取りやすくなります。基本的にドライスーツ着用時には、両足首にそれぞれ500gのアンクルウエイトを着用します。

ウエイトベスト

ドライスーツ着用時は、腰への負担がかかります。ウエイトベストは、そんな腰への負担を軽減するためのアクセサリーです。ウエイトベストを着用することで、ウエイトを分散することができ、腰への負担を軽減します。

ドライスーツの着用方法を解説

ドライスーツの着用方法を解説

ドライスーツは、タイプにより着用方法が異なります。持っているまたは購入を検討しているタイプのドライスーツの着用方法をマスターして、スムーズに着替えられるようになりましょう。

ドライスーツの着用手順

  1. 背中のファスナーを開けて片足ずつ足を通す
  2. 手首部分のシールを引っ張りすぎないように左右順番に手を通す
  3. 首部分のシールを引っ張りすぎないように両手で広げながら頭を通す
  4. 背中のファスナーをバディに閉めてもらう
  5. ファスナーがしっかり閉まっているかを自らチェックする
  6. 首部分のシーツを内側に2cmほど内側に折る
  7. 首部分のシールを両手で開けながらしゃがみスーツ内部に空気を抜く

ドライスーツ着用時によくある失敗点7つ

ドライスーツは慣れるまで、意外と手こずって失敗しがち。そこでよくある失敗例を7つご紹介します。失敗例を確認して、同じ失敗をしないように注意しましょう。

1.インナーをインしていない

ドライスーツを着る際には、必ず上着はズボンに、ズボンは靴下にインしておく必要があります。しかし特にドライスーツとセットではないインナーの場合、ドライスーツにインするのを忘れてしまいがち。上着はズボンに、ズボンは靴下にインすることを意識して、着用しましょう。

2.反対の足を入れてしまう

急いで着替えている時に多い失敗が、入れる足を間違えてしまうこと。ブーツを履いた時に違和感を覚えて気づくというケースもあります。座って左右を確認してから、足を通すようにしましょう。

3.リストシールを手首の骨の上で留めてしまう

リストシールを正しい位置で留めていないと、水没の原因になります。特に多いのが、手首の骨の上で留めてしまうケース。シールを丁寧に扱うあまり、骨の腕側まで引っ張らずに使うと水没してしまいます。慎重に扱うことは大切ですが、水没を防ぐためにも、しっかりと上まで上げるようにしましょう。

4.頭抜きでひっかかる

頭抜きは一気に抜かないと、息ができなくなりかなり苦しくなってしまいます。一気に抜けず焦ると余計に抜けなくなることも。頭抜きで引っかからないようにするためには、一気に口の下までシールを持ってくることを意識してみましょう。また、髪が長い人は一つにまとめておくことで、髪が邪魔になりません。

5.水に潜る前に空気を抜いていない

上記の着用方法でもご紹介した通り、最後にドライスーツ内の空気を抜く必要があります。着替えてすぐではなく、ダイビング直前に空気を抜くのがベストなタイミングです。

6.ネックシールの折り忘れ

ドライスーツ着用後はネックシールを約2cm程度、内側に折ることで水の侵入を防ぐことができます。この作業を忘れてしまうと、水に入った途端、スーツ内に水が浸入し、とても不快な思いをしながらダイビングをすることになってしまいますので、十分に注意しましょう。

7.ファスナーを最後まで閉めていない

ファスナーをしっかりと最後まで閉めていないと、水没の原因になります。ファスナーを閉め終わった後も、2〜3回ファスナーを引っ張り、最後までしっかりと閉めましょう。

使用後は丁寧なお手入れが必要

ドライスーツを使用した後は、丁寧にお手入れをしてあげます。基本的なお手入れ方手順は下記の通りです。

  1. ドライスーツを着用したままシャワーなどで海水(塩分)を洗い流す
  2. ファスナー部分は手や指先を使って丁寧に擦りながら洗う
  3. 直射日光を避けて陰干しする
  4. ファスナーには専用の潤滑剤をつける

特に海水でダイビングした場合は、真水で念入りに手洗いする必要があります。また、ファスナーはしっかり洗っていないと塩噛みし、上手く開け閉めできなくなってしまう場合がありますので、塩分や汚れをきれいに洗い落としましょう。
ネオプレーンタイプのドライスーツは、濡れた状態で他の洗濯物と重ねておくと、色移りする恐れがあるためご注意ください。

お手入れに便利なアイテム

ドライスーツで特にお手入れして頂きたい箇所はファスナーです。ファスナーの劣化を防ぐために、必ず「ファスナー潤滑剤」を使用前、使用後につけましょう。ファスナー潤滑剤をつけ、2〜3回ゆっくり開閉します。

ドライスーツ保管時の注意点

ドライスーツ保管時には、特にファスナーの破損に注意しましょう。防水ファスナーは折れ曲がりやすくなっています。また、ファスナーが半開きのまま放置しておくと、破損の恐れがあるため、必ず最後まで閉めてから保管してください。
色落ちなどを防ぐために、直射日光が当たる場所や高温多湿の部屋は避け、通気性の良い部屋で保管してください。

保管に便利なアイテム

ドライスーツを保管する際には、「ドライスーツハンガー」という専用のハンガーを使うのがおすすめ。ドライスーツは通常の衣類に比べて重さがあるため、重さや形を考慮して作られた専用のハンガーが活躍します。また、ドライスーツハンガーを使うことで、首のシール部分のシワを防ぐ効果もあります。
「ドライスーツハンガー」とともに便利なアイテムが「ドライスーツバッグ」です。ドライスーツを入れて保管できるほか、持ち運び時にも活躍します。

自分に合うドライスーツでダイビングを楽しもう

ドライスーツは自分にフィットするサイズのものを選び、正しい着用方法で着ることで、浸水を防ぐだけではなく、ストレスフリーにダイビングを楽しむことができます。
複数のタイプのあるドライスーツ。それぞれの特徴を把握して、自分に合ったドライスーツを見つけましょう。