ダイビングコンピューターは何を選べばいい? 選び方やおすすめメーカーを紹介
更新日:2023.09.30.Sat   投稿日:2023.09.06.Wed目次
ダイビングを始めたら最初にどんな器材をそろえますか?マスクやフィンなどの軽器材からそろえる方も、思い切ってフルセットを購入する方もいるでしょう。そんな中で、実は最初に購入した方が良いとも言われるダイビングコンピューターについてご紹介します。ダイビングコンピューターが欲しいけれども、種類が多すぎて何を選べばいいかわからない方も多いと思います。そもそも、ダイビングコンピューターは何のために付けるのか、はっきりとわからない方も多いはず。
この記事を読んで、私たちが潜っている間に非常に重要な役割をしてくれるダイビングコンピューターの種類や選び方を理解して、自分に合ったダイビングコンピューターを選定してきましょう。
ダイビングコンピューターとは?
ダイビングコンピューターは、ダイブコンピューターやダイコンとも呼ばれる器材です。通常の腕時計の機能(時間や日付など)に加えて、装着して潜るだけで深度や水温、潜水時間、窒素量、減圧不要限界(DECO)、安全停止のカウントダウンなど多くの機能が表示されます。ダイビングライセンスを取得する際に、潜水可能時間などを見ることができるダイブプラナーを使用したことを覚えていますか?あの小さな表を見なくても、ダイビングコンピューターが、自動で計算してくれる・・・そんな機能が付いています。
ダイビングコンピューターを付けて水に入れば自動的にダイブモードが作動し、現在の深度がわかり、その場に残り何分間安全に滞在することができるのか、ダイビングをスタートしてどのくらいの時間が経過したのかなど安全管理に関わることがこの器材ひとつで把握することができます。ダイビングコンピューターを持っているか持っていないかは、安全なダイビングをする上で重要なポイントとなるでしょう。
ダイビングコンピューターの種類
基本機能はどの機種もほぼ同じですが、今回は下記の3種類に分けてみました。まずは、どのタイプが自身のダイビングスタイルに合っていそうかを考えてみてください。その上で、機能性やデザイン、充電方法などを知って絞り込んでいきましょう。
腕時計タイプ
利用者が一番多いタイプ。腕時計タイプなので、一見してダイブコンピューターだとはわかりません。普段使いをしている方も多いです。見た目は、お洒落な腕時計と言うよりはG-SHOCKのようなアウトドア用の腕時計。旅行時に時計とダイビングコンピューターの二つを持つ必要がないのも人気の理由です。
大型液晶タイプ
画面が見やすく、1画面上の情報量が多いのが特徴のダイブコンピューター。大きい物だと、名刺サイズ以上の物もあります。使用者のトラブル時に、ガイドやインストラクターがパッと見てすぐに多くの情報を得ることができるのもメリットです。
カラー液晶タイプ
充電式や電池式のダイブコンピューターのカラー液晶タイプは鮮明で、見やすさは抜群です。陸上と比べて水中は暗いため、二色表示の従来のダイブコンピューターで見えにくくて困った経験がある方には特に人気です。
普段使いをしたいなら腕時計タイプ、ダイビングの時にしか使わないなら大型液晶タイプ、見やすさ重視ならカラー液晶タイプ・・・それぞれのメリットがあって、なかなか選ぶのが難しいですが、普段のライフスタイルや好みに合わせて探してみましょう。次は、さらに具体的な選び方を紹介します。
ダイビングコンピューターの選び方
機能性
基本的にどのダイブコンピューターにもついている機能、かつ必須の機能は以下の通りです。
・オート潜水モード(ある程度の水深に達すると、自動的にダイビングモードに切り替わる)
・水深計(水圧から水深を自動計算して表示)
・残留窒素量と残留窒素排出時間(無限圧潜水時間の計算を含む)
・安全停止時間の算出(自動的にカウントダウンが始まる)
・ログ機能(エントリー時間、エキジット時間、最大水深、平均水深、水温など)
・音や振動による警告(浮上速度が速すぎる場合、DECOを出した場合など)
・エンリッチド・エア・ナイトロックスへの切り替え機能
加えて、付いていたらより便利な機能は以下の通りです。
・飛行機搭乗待機時間の表示(最終エキジット後からの時間をカウントしてくれる機能)
・混合ガスへの対応(潜水深度や潜水時間に応じて混合ガスを使用する場合に使用)
・トランスミッター機能(ダイブコンピューター上で残圧を見ることができる機能)
・Bluetooth機能(ログをダイブコンピューターから直接アプリ等へ転送できる機能)
・GPS機能(ダイビングの開始位置と終了位置を自動的に記録し水面に出れば確認できる)
・心拍数の計測機能(水中での体調をトラッキングすることができる機能)
充電方法
ダイブコンピューターは、通常の腕時計等と同じで電力(バッテリー)を使用します。電池は、ソーラーパネル充電式・USB充電式・電池交換式の3パターンがあり、複数搭載されている機種もあります。電池交換式の場合は、購入費を安く抑えられるのがメリットですが、電池交換の際に耐圧検査も含めて5,000円~7,000円ほどかかります。電池は平均して3年持ちますが、ダイビングモードを使えば使うほど電池の消耗は早くなりますので、アクティブダイバーの方だと1年半~2年ほどで電池交換となる可能性も視野に入れておきましょう。
画面の見やすさ
ダイビングコンピューターは、大きくてもスマートフォンの半分ほどの画面サイズしかありません。そこで、水中で重要となる細かい数字がいかに見やすいデザインになっているかがとても大切なポイントとなってきます。特に視力が弱い方や色弱の方は、実際に手に取って画面の見やすさを確認してみてください。また、表示させる項目を選択することができるダイビングコンピューターも存在します。画面や文字がくっきりと鮮明に見えて、バックライト機能がついている物を選択すると良いでしょう。
価格
機能が同じでも、メーカーによって価格はさまざまです。値段の違いは、機能数の違いやデザイン、素材、メーカーの製造段階でのコストによるものです。一概に、高い物が良くて、安い物はすぐ壊れると言うわけではありませんので注意が必要です。また、多機能な物はそれだけ機械への負担も大きいため、不具合が出る可能性が高いというデメリットもあります。充電方法の項目でも紹介しましたが、購入時の金額だけではなくランニングコストも含めて選ぶようにすると良いでしょう。
操作性
ダイコンは小さな器材なので、実際に使ってみるとボタン操作がしやすい物とそうでない物があります。また、ボタンが複数ありすぎて操作が複雑になってしまっている物や、一つのボタンで完結する物もあります。できれば、ボタンは2-3個で、1-2アクションで希望の画面へたどり着けるダイビングコンピューターが良いでしょう。更に、ボタンの大きさや位置も重要です。使ってみなければわからない部分は多いですが、それでもグローブをした状態で操作がしやすいか?押した時の感触はどうか?など、購入前に触ってみる機会を作れるようなら、ぜひ手に取って操作をしてみると良いでしょう。
デザイン
ダイビング器材の色や形、スタイリッシュ性など好みに合わせて複数のメーカーから選択しますよね。ダイブコンピューターも同じで、色も形も多くの種類があります。普段使いをするのか、ダイビング中だけの使用にするのか、目立つ色にするのか、モノトーンでカッコよくしたいのか・・・。頻繁に買い替える物ではありませんので、気に入ったデザインのダイビングコンピューターを探しましょう。
初心者におすすめのダイビングコンピューター3選
AQUA LUNG(アクアラング)
カルム+(腕時計タイプ)
特徴:ソーラー充電式の「メイド・イン・ジャパン」。可愛らしいデザインと交換用ベルトの種類が豊富なこちらの機種は操作も簡単で、初めてダイビングコンピューターを購入する方におすすめ。独自の アニバーサリー機能を搭載しており、特定の記憶ログ本数到達時にお祝い表示をしてくれる嬉しい機能も。
価格:¥94,600(税込価格)
i770R(大型液晶+カラー液晶タイプ)
特徴:カラースクリーンとBluetoothを搭載した見やすい画面が特徴。電池はUSBでの充電式で、一回の充電で30時間ほど使用が可能。専用のアプリと連動させることで、ログデータも一括管理が可能。トランスミッター機能や使用ガスの切り替えなども簡単に行えるため、テクニカルダイバーにもおすすめ。
価格:¥162,800(税込価格) トランスミッター付き:¥206,800(税込価格)
TUSA(ツサ)
DCソーラー IQ1204(やや大型液晶の腕時計タイプ)
特徴:Bluetoothを搭載したソーラー充電式ダイブコンピューターの最大の特徴は、減圧症を予防する「M値警告機能」です。4mixガスにも対応しており、本格的な加速減圧ができます。また、設定した水深毎にアラームを鳴らせる深度インターバルアラーム機能も付いています。
価格:¥99,000(税込価格)
SUUNTO(スント)
D5(カラー液晶+腕時計タイプ)
特徴:カラー画面表示で、水中でもはっきりと文字やアイコンを見ることが可能です。トランスミッター機能やBluetooth機能がついているので、面倒な操作は不要。好みのスタイルに合わせて変えることができるストラップの種類も豊富で、その日の気分に合わせて変更するのも楽しいでしょう。また、シンプルなボタン操作で目的の画面へたどり着くことができるので、初心者の方にもおすすめです。
価格:¥118,800(税込価格) トランスミッター(別売):¥48,400(税込価格)
GARMIN(ガーミン)
Descent Mk2(カラー液晶+腕時計タイプ)
特徴:GPSナビゲーション製品を作り続けてきたGARMIN。ダイビング業界では後発ですが、登山などのアウトドア業界では言わずと知れた老舗ブランド。ダイビングモードで約80時間稼働のロングバッテリー、画面表示項目の自由設定やGPS、スマートウォッチ機能なども付いています。
価格:¥198,000(税込価格) トランスミッター付きモデル:¥282,000(税込価格)
Apple(アップル)
Apple Watch ultra(カラー液晶+腕時計タイプ)
特徴:Apple Watchにダイビングコンピューター機能が搭載されたことで、一躍注目されたのがこのApple Watch ultraです。専用のアプリ「水深」や「Oceanic+」をダウンロードすることで、通常のダイビングコンピューターの機能が一通り使用可能。最大のメリットは水面に出た際に、通常のスマートウォッチとして電話ができることです。ドリフトダイビングや漂流時のリスク対策にもなります。
価格:¥124,800(税込価格)
まとめ
いかがだったでしょうか。様々なメーカーが何機種も出しているダイビングコンピューター。そして、どのメーカーも日々商品開発に取り組み、年々進化を遂げ続けている器材のひとつです。しかしそれにより、選ぶのは一苦労なのが現実。今回は、ダイビングコンピューターを持つことの重要性と、それぞれの機能や特徴の違いをご紹介しました。ダイビングコンピューターは、レギュレーターやマスクなどと違って「使わなければダイビングができない」わけではありませんが、安全を確保するためには必要な器材のひとつです。それでも安くはない買い物ですから、長く愛用することができるようご自分に合った一品を選びましょう。