ダイビング器材、レンタルと購入どっちがお得?徹底比較ガイド
更新日:2024.05.27.Mon   投稿日:2024.05.27.Monスキューバダイビングを始めるとき、器材はレンタルするべきか、それとも購入がよいのかと悩む人は多いのではないでしょうか。この記事では、ダイビング器材をレンタルと購入の両面から比較し、それぞれのメリットとデメリットを明確に解説します。
実際にダイバーから聞いた話もご紹介しますので、ダイビングライセンスを取得しようと思っている方、取得後に器材について悩んでいる方はぜひご覧になってください。
ダイビング器材をレンタルするメリットとデメリット
メリット
・初期投資が少ない
レンタル代はダイビングをするエリアとダイビングショップによって様々ですが、相場としてダイビング器材一式(以下、フル器材)で10000円前後です。沖縄や海外の場合、使用する器材が少し減るので6000円前後になります。
フル器材の購入となると安く見積もっても30万円以上なので、初期投資として考えるとレンタルの方が安くすみます。
また、あまりダイビングに行かない方は、長期的にみてもレンタルの方がコスパが良いです。
・旅行先で身軽に動ける
ダイビング器材がレンタルだと持ち運びの必要がないので旅行先が身軽で楽です。
また準備の必要や忘れ物の心配もありません。
特に海外旅行の場合は超過荷物の料金や航空会社が変わる乗換の際のスルーバゲージを考慮しなくてよいので余計な心配が減ります。
・メンテナンス、保管の手間がない
レンタルの場合は器材のメンテナンスや保管場所を考える必要がありません。
またダイビング後の器材洗いもレンタルはショップのスタッフが行うことが多いので、洗って干す手間もありません。
デメリット
・長期的にみると高コスパ
上述したように、フル器材購入となると安くみても30万円以上かかるので、レンタルがコスパ良いと始めは思います。
ただレンタルを10回すると約10万円、20回すると約20万円、と長期的に見ると購入と変わらない、もしくはそれ以上かかります。レンタル料金は1日の料金なので、宿泊を伴う2日間のダイビングツアーの場合は2回分の費用がかかります。
そして、当たり前のことですがレンタルの場合は手元には何も残りません。
・衛生面、安全面
誰が使用したかわからない、いつメンテナンスしたか不明なものを使用します。ダイビングショップによっては水洗いだけの場所もあります。
レギュレーターやスノーケルは直接マウスピースを咥えますが、その箇所も使い回しです。唾液がついてしまう場所なので、感染症などを気にする方も多いです。
マウスピースだけ変えてくださいといった要望は通ることが少ないので、衛生面が気になる方はレンタルは不向きです。
またレンタル器材をずさんに扱ってしまうお客様も多く、不具合や破損をスタッフに伝えられない方もおられます。その場合、次に使用する方が水中で器材トラブルに遭遇する可能性があります。
器材の見た目に変化が無かったり、陸での動作に不具合が無かったりした場合、スタッフも気づかずに次のお客様へ貸出してしまうこともあり、お店のものだからといって必ずしも安心安全とは限りません。
ダイビングスクールマレアではレンタル器材のメンテナンスや消毒、事前チェックや予備の準備を徹底的に行っておりますのでご安心ください。
・器材に慣れない
ダイビングショップによって揃えているレンタル器材は異なり、同じショップ内でも全て同じメーカーの製品とは限りません。
BCDやフィンはメーカーが変わると使用方法や性能が変わります。レンタルの場合は毎回違う器材なので、潜る度に器材の勝手がわからず十分に楽しめない可能性が高いです。
レジャースポーツだとゴルフのクラブ、スキーやスノーボードのブーツやボードも、同じものを使って練習を続けた方が早く上達しますが、スキューバダイビングも同様です。
・用意がない場合がある
体格が極端に小さい方や大きい方に合うウェットスーツやブーツのサイズがないことが多いです。特にスーツは基本的には「一般的な体型」で作られているS/M/L/XLというサイズで用意されています。腕周り、足回り、お腹周りのサイズが合わず、とても着づらかったり、動きづらかったりすることがあります。
また、ウェットスーツの下に着用するフードベストや、寒い時期に着用するドライスーツの用意がないダイビングショップもあり、レンタルを要する方は都度確認が必要になります。
ダイビング器材を購入するメリットとデメリット
メリット
・長期的にみてコスパ良し
再三になりますが、フル器材購入となると安くても30万円以上と初期費用がかかります。デザインや性能をそれなりに良いもので選んで行くと、50万円以上になるでしょう。
ただ、きちんとした保管方法で、丈夫な素材を選び、修理可能な国産メーカーを選べば、10年以上と長期的に使用可能です。
もし30万円だったとしても30回行くだけでレンタル代と変わらない額になります。スキル向上の1つの目標として「100本」を目指す方が多いですが、1日2本潜るとしたらレンタル代で50万円かかってしまう計算になります。
・快適で安全
レンタルと違って毎回同じものを使用するので、数回使用するだけで使い勝手や水中でのバランスのとり方に慣れます。
また、1つの器材に慣れることでとっさの操作も問題なくできるようになり、破損箇所や異常がないかも把握できるので安全で快適に使用できます。
・好みの器材をチョイスできる
「海外でのダイビングが多いから軽くてコンパクトなBCDを」
「ビーチダイブが多いからフィンは脱着がしやすいストラップタイプで」
「マスクとフィンが赤黒だからレギュレーターのホースも赤黒にカスタムしたい」
といったように、自分のダイビング環境や好みに合わせた器材を選ぶことができます。
後々のカスタマイズも楽しめ、自分好みの器材はテンションもモチベーションも上がりますよ。
・上達が早い
使い勝手がわかるのでバランスが取りやすく快適にダイビングすることができ、上達にも繋がります。
特に初心者で苦戦するフリー潜降(潜降ロープを使用しない)や、安全停止、中性浮力は、いつも同じウエイト数を同じ場所に着けて調整可能なMY器材の方がよりやりやすいです。
もし、自動車運転免許の教習所が、軽自動車、ミニバン、SUVなど毎日違う車種だったら、基本的な技術の習得に相当な時間がかかってしまうでしょう。
デメリット
・初期費用が高額
本記事でフル器材の価格例を20万円としてきましたが、価格帯の幅はかなり広くハイスペックになると100万円を超えることも。
購入の際は予算と優先事項を決めて、ダイビングショップ(サービス)のスタッフと相談しながら購入しましょう。インターネットでの購入は、サイズ感や重さが分からずフィッティングもできないのでおすすめしません。使ったことがある物や、同じ物を再購入する場合は便利でしょう。
もちろん全て揃えなくても、マスクとスノーケルとフィンだけ先に購入するなど、自身が必要だと感じたものから購入していくのも良いです。
ダイビング器材の相場が気になる方は、費用を解説した以下の記事を参考にしてください。
・メンテナンス、保管が手間
重器材(BCD、レギュレーター、オクトパス、ゲージ)は年に1度のオーバーホールが推奨されており、定期的にメンテナンスに出す必要があります。
また器材の保管場所が必要になり、どうしても確保できない場合は器材預かりサービスを行っている行きつけのショップが必要です。
・持ち運びが面倒
フル器材は約15kgあります。
専用のキャリーケースがあるので抱えて持っていくということはないものの、慣れるまでは持ち運びは面倒です。
国内であれば、往復郵送にして身軽に旅行しましょう。
ダイバーのリアルな声
30代女性のダイバーNさん
学生時代にダイビングをはじめ、季節問わず近場で潜りたくてドライスーツまで全て購入。
MY器材なのに下手くそは恥ずかしいと、必死に練習しました。
フィンは合わずに1年ほどで変えましたが、その他の器材は10年以上使用し、特に当時限定色だったダイブコンピューターはお気に入りで、普段使いもして重宝しました。
40代男性のダイバーTさん
宮古島での体験ダイビングに感動し、すぐに再訪してライセンスを取得。水泳が苦手で鼻に海水が入ることや泳ぐことが苦手だったので、マスクとフィンは最初からインストラクターと同じ物を購入。ウェットスーツはサーフィンで使用していた物を使っていたが、水圧ですぐにダメになったのでライセンス取得後にオーダーで購入した。
アドバンス取得まではレンタルで参加したが、講習にトラブルが起きてたまたま交換したインストラクターの器材が驚くほど使いやすく、水中でのバランスや呼吸が簡単になったことに感動。
同じ物をインターネットで購入したが、外国製だったのでサイズを間違えてしまい、1年使ってみたが結局ダイビングショップで下取りしてもらって最新のモデルをジャストフィットサイズで再購入。以来、8年間で2000本とかなりハードに潜ったが、メンテナンスと修理をしながら長く使用することができた。
軽器材→ウェットスーツ→ダイブコンピューター→重器材と少しずつ順番に揃えていった。
まとめ
レンタルであっても購入であっても、ダイビングをするためには専用の器材が必要不可欠。そしてあなたがどのようなダイビングをしたいかで、どちらも長所にもなり短所にもなります。
レンタルか購入かで迷っている方は、まずはダイビングスタイルやあなたの身体的な特徴を把握しましょう。
年に何回潜るのか?どこで潜るのか?季節はいつが多いのか?体力はある方か?寒がりか?
確定的ではなく、予定でも良いです。
そしてできればダイビングショップ(サービス)のスタッフへ相談してみてください。スタッフの話の進め方によってはあなたと相性が合うのか、今後のショップ選びの判断材料にもなりますよ。
この記事が、あなたにとってより快適なダイビングライフのきっかけになれば幸いです。