目が悪くてもダイビングできる?コンタクト着用のポイントと注意点
更新日:2023.04.10.Mon   投稿日:2021.07.06.Tueスキューバダイビングでのコンタクト着用は可能
スキューバダイビングを行う際に、コンタクトの着用はできます。しかし、さまざまな注意事項があります。それをしっかりと理解した上で使用することをオススメします。
コンタクトを着用してスキューバダイビングを行う場合、おすすめなのは1dayの使い捨てソフトコンタクトです。
医学的には「酸素透過性のコンタクトレンズ」であれば使用できるといわれています。
また、「シリコーンハイドロゲル」だとさらに良いとされています。酸素透過率が、普通のコンタクトと比べて2.5~6倍あるため、目にやさしいといえるでしょう。
つづいて、なぜ1dayの使い捨てが適しているかについて解説します。
細菌が付着する可能性が高い
海中にはさまざまな細菌が潜んでいます。マスクをしているからといって、確実に目を守れるとはいえません。少しの隙間から海水が浸入する可能性は十分にあります。目に海水が入れば、どうしても細菌が付着するでしょう。
細菌が付いたままのコンタクトを着用し続けると、衛生的に好ましくありません。目の充血や角膜の損傷が引き起こる恐れがあります。したがって、ダイビングが終わり次第すぐに取り外せる、1dayタイプがおすすめです。
コンタクトが外れやすい
マスクの中に入った水が目とコンタクトの間にも入り込むと、コンタクトは浮きやすくなります。場合によってはダイビング中に外れるケースもあります。海中でコンタクトを紛失したり、使用できなくなったりするかもしれません。
紛失したコンタクトが2weekや1monthタイプだと、もったいないと感じるでしょう。
一方で、1dayタイプであれば海に潜るときだけ着用するといった使い方ができます。1枚あたりの価格も低いため、紛失してもそれほど気になりません。
コンタクトが変形する
コンタクトは、海水によって変形する可能性があります。変形したコンタクトを着用し続けると、目に大きな負担がかかります。よって、すぐに新しいコンタクトに交換しなければいけません。
しかし、2weekや1monthタイプのコンタクトしか持っていなければ、予備のレンズが無いといった事態になりかねません。
そこで、1日で交換できる使い捨てタイプをおすすめします。ダイビングの翌日には、必ず新しいレンズに交換してください。
コンタクト着用が必要ない場合も
ここまでダイビング中のコンタクトについて解説ましたが、視力によっては着用が必要ないケースもあります。また、度付きマスクを活用するという方法も考えられるでしょう。
ここからは、コンタクトの着用が必要ないケースについて詳しく解説します。
視力0.3程度であればそのままでOK
光の屈折率などが影響して、水中では陸上よりも物体がおよそ1.3倍大きく見えます。距離も近く見えるため、裸眼でもメガネをかけているような見え方になるのです。したがって、一般的には、0.3程度の視力があれば裸眼でも問題なくダイビングを楽しめます。
目安としては、運転免許証の取得の際に「眼鏡等」の記載が無い方は、裸眼でも大丈夫です。
度付きマスクを使用する方法も
視力が悪い場合、コンタクトではなく度付きマスクを着用するという選択肢の方が、ずっと、おすすめです。
コンタクトと違い、目への負担が少なく、外れる心配もありません。
特に、これからダイビングを始めよう、ライセンスを取得しようという方は、慣れていない水中の環境で急にコンタクトが外れてしまったり、調子が悪くなった場合に、焦ってしまってパニックになったりするかもしれません。
また、ライセンスを取得する際の講習内容には、ダイビングマスクを水中で顔から一度完全に外して、付けなおすというスキルの練習が何度か出てきます。
この練習の際には、ほとんどの方がコンタクトの違和感や、ズレを感じ、外れてしまう方も多いです。
初心者の方には、特に度付きマスクの使用をおすすめします。
ダイビングでコンタクト着用する際の注意点
ダイビングでコンタクトを着用する際には、注意すべきポイントが3つあります。3つの注意点を必ず意識して、安全にダイビングを楽しみましょう。
ハードコンタクトは絶対に使用しない
ハードコンタクトの着用はおすすめしません。海にもぐると、水圧によって眼球に押し付けられる恐れがあります。目が傷ついたり外れたりするといった危険性があるため、ハードコンタクトは絶対に使わないでください。
普段ハードコンタクトを使用している方は、ダイビングの前に医師に相談することをおすすめします。
コンタクトを使用していることをインストラクターに伝える
コンタクトを着用していることをインストラクターに伝えておけば、トラブルが発生してもすぐに対処できます。特に尋ねられなかった場合でも、自分から伝えておきましょう。
また、ダイビング中にコンタクトが外れたら、驚いてパニックになる恐れがあります。そんな時に重要なのが、インストラクターに異常を伝えるためのハンドシグナルです。冷静に状況を伝えられるように、事前に確認・練習しておくことが大切です。
目の不調を感じたら、ダイビングを中止する
使い捨てのソフトコンタクトが推奨されている理由は、現時点で大きな事故が発生していないためです。デメリットが少ないため、着用しても問題ないといわれています。つまり「使い捨てのソフトコンタクトであれば絶対に安全」とはいえません。
ダイビング中にコンタクトを着用して不調を感じるかどうかは、個人差があります。そのため、情報を鵜呑みにするのではなく、自分の体調や目の状態を最優先してください。不調を感じたらダイビングを中止しましょう。
マスターしておきたい「マスククリア」
マスククリアは、海水がマスク内に入ってきたときに、潜った状態のままで海水を外に逃がす技術です。ダイビングを楽しむために大切な技術であるため、マスターすることをおすすめします。
しかし、マスククリアに苦手意識のある方は少なくありません。そこでここからは、マスククリアの呼吸法や手順について詳しく解説します。ポイントをおさえて、ストレスなく実践できるように準備しておきましょう。
マスククリアの呼吸法
ダイビング用のマスクは、目元だけでなく鼻までおおわれます。そのため、口だけで呼吸する呼吸法を実践する必要があります。
しかし、マスククリアを行う際の呼吸法は、口呼吸ではありません。口から吸って鼻から吐くという方法に変わります。
マスククリアの呼吸法を実践するときには、鼻からやさしく吐くことを意識しましょう。3秒程度かけて息を吐くと、うまくいきやすいです。
海中でうまくできるか不安な場合は、海に潜るまえに練習することをおすすめします。
マスククリアの手順
- 水が入ったら深呼吸をしてまず落ち着きましょう。この時、鼻から水を吸い込まないように注意してください。
- マスク上部のフレームを、両手で正面から顔に向けて押します。この時、斜め下に軽く押すようにしてください。
- 2のまま、口から息を吸い、鼻から3秒程かけて息を吐きます。この時、マスク下部分から入ってきた水を、呼吸と一緒に出すイメージで息を吐きましょう。
- 水が残っていたら、3と4を繰り返し行います。
マスククリアをマスターするためには、顔のサイズに合うマスクを選ぶことが大切です。最適なサイズのものを選べば、水が入りにくくなります。
まずは、ストラップを使わずにマスクを顔に沿わせます。その後、鼻から息を吸って息を止めたら、マスクから手を放してください。このとき、軽く吸うことが重要です。
最後に顔を動かしてフィット具合を確かめましょう。マスクが落ちずにキープできれば、顔のサイズに合っていることが分かります。
まとめ
視力が悪い方も、度付きマスクやコンタクトを着用してスキューバダイビングを楽しむことはできます。ただし、安全面を最優先することが大切です。コンタクトを使う場合は、必ず使い捨てのソフトコンタクトを使って、目へのダメージを最小限に抑えましょう。
ただし、全ての人にとって絶対に安全だといえるコンタクトはありません。
最初は度付きマスクを使い、ダイビングに少し慣れてきたら、コンタクトを使用してのダイビングを考えてみると良いと思います。
度付きマスクは、レンズを素のレンズに交換して使うことができますので、購入したダイビングショップに相談してみましょう。
また、コンタクトを使用してダイビングした場合に何か不調があった場合は、医師やインストラクターに相談することをおすすめします。