美しい景色をそのままに。ダイビング写真撮影のはじめかた

更新日:2024.06.15.Sat   投稿日:2021.07.12.Mon

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水中写真はスキューバダイビングの醍醐味!

水中に潜るスキューバダイビングでは、普段は見ることのできない魚の泳ぐ姿やサンゴの揺れる姿などを間近で見ることができます。その景色は幻想的で、水中での写真撮影の方法を知ることでよりスキューバダイビングを楽しめます。

水中写真には、魚の群れの迫力を写真におさめたり、小さな魚の表情を写真におさめたりなど、さまざまな楽しみ方があります。しかしダイビング初心者の方で水中での撮影テクニックをまだ知らない人は、カメラ機材は何を使えば良いのか、どのように撮影すれば良いのかよくわからないでしょう。

そんな時には、水中写真撮影のコースを受講するのがおすすめです。世界最大のダイビング教育機関PADIには、最新のデジタル教材に対応したダイビングでの水中写真撮影を学ぶコースがあり、多くのダイビングショップやスクールで受講できます。

水中写真で活用される撮影方法4選

普段の生活で写真を上手に撮る方法は、水中でも応用や再現は可能です。しかし、陸地と水中とでは環境が違うため、水中ならではの機材やテクニック、表現が必要となります。

ダイビングライセンスを取得したら、次のステップとしてこの記事の後半でも紹介している水中写真撮影の基礎を学ぶコースを受講し、水中撮影の知識を身につけましょう。

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4つの水中写真撮影方法

水中写真を撮るための撮影方法は複数あります。そこで今回は4種類の撮影方法を紹介します。

撮りたい写真のイメージや被写体に合わせて、適切な撮影方法を選びましょう。

ワイド撮影用の広角レンズ

1.ワイド撮影

水中の風景や魚群などを撮影するのに最適な撮影は「ワイド撮影」です。ワイド撮影には引いて撮影する水中ワイド写真と、寄って撮影するワイドマクロ写真の2種類があります。

ワイド写真は、広角レンズを使用して撮影をする一般的な水中撮影の方法です。引きで撮りたい被写体をメインに全体を撮影します。引きで撮影するため、サンゴ礁の景色や魚群を撮影したい場合に適しています。

ワイドマクロ写真とは、広角レンズを用いて被写体に寄りつつ、背景などの全体をおさめた写真のこと。被写体にしっかりと近づく必要がありますが、近づきすぎるとポートの影ができてしまうこともあるため、ストロボの位置に注意しなければなりません。

2.マクロ撮影

小さな魚(生き物)を撮影するのに最適な撮影方法は「マクロ撮影」です。マクロ撮影では、小さな魚も図鑑のように鮮明に撮ることができ、捕食や産卵の瞬間を撮ることも可能です。

マクロ撮影では、生態シーン写真のほかに、メルヘン写真とカリカリ写真などの表現方法があります。

メルヘン写真とは絞りを開放して撮影し、ぼかしを活かした撮影方法のこと。絞りを開放することで、被写界深度が狭い写真を撮れます。

カリカリ写真では、メルヘン写真とは逆に絞りを絞ることで、シャープな印象の写真が撮れます。絞りを絞ることで被写界深度を深くすることができ、生き物の細部までくっきりと撮影することが可能。自然光も排除されるため、コントラストの利いた写真になります。

多くの方が、水中カメラを購入して最初に挑戦する撮影方法となるでしょう。

スポット撮影用のライト

3.スポットライト撮影

「スポットライト撮影」とは、局部的に光を当てて撮影する方法のこと。明暗をくっきりとさせることで、被写体へ視点を注目させます。被写体との距離や光の当て方を調節することで、被写体のシルエットのみの撮影も可能。撮り方により写真が全く違うものになる点がスポットライト撮影の魅力の一つです。

なお「スポットライト撮影」は「スヌート撮影」ともいいます。

4.フロー撮影

「フロー撮影」とは、発光する性質を持った生き物の性質を活かした撮影方法のこと。

多くの魚が生息している海にはサンゴやイソギンチャクなど、蛍光たんぱく質を持つ種類の魚もいます。このような魚は肉眼では見えない紫外線の光を与えることで発光させることができ、幻想的な写真を撮影できます。

このようなフロー撮影をしながらのダイビングのことを、「フローダイビング」または「蛍光発光ダイビング」といいます。

水中写真撮影を始めるために必要な機材

ダイビング撮影を始めるために必ず必要となるのが、水中カメラです。しかしいざカメラを買いに行こうとすると、種類が多くどれを選べば良いかわからないと感じる人もいます。

そこで水中カメラでよく使われるカメラの種類と、水中カメラの選び方をご紹介します。

水中カメラの種類

写真撮影を趣味としている人は、既にカメラをお持ちの方もいるでしょう。この場合、わざわざ新たにカメラを買わずに慣れたカメラを使用したいと考える人もいます。

水中撮影に適しているカメラは、コンパクトデジタルカメラ、一眼レフカメラ、ミラーレス一眼、アクションカメラです。これらのいずれかをお持ちの方はわざわざ新たに買う必要はありません。

ここからはそれぞれのカメラの特徴と選び方を解説します。

コンパクトデジカメのTG

■コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)

初心者の方におすすめなのが、コンパクトデジタルカメラです。コンパクトデジカルカメラは、他のカメラに比べて価格も手頃で、持ち運びが楽なため初心者にも使いやすく多くのダイバーも使用しています。

コンパクトデジカルカメラを選ぶ際は、必ず防水機能付きのものを選びましょう。防水性能は5m~30mと幅広くありますが、防水機能が低い場合は防水ケースに入れることで深い水中でも使用できます。

一眼レフと水中用ハウジング

■一眼レフ・ミラーレス一眼

レンズ交換が可能な一眼カメラは、水中でも高画質な写真が撮影できます。

しかし多くの一眼カメラは防水機能がついていないため、防水ケースに入れるなどの防水対策が必須です。また、撮影のために多くの機材を集める必要があり、手間と多額の費用がかかります。

水中撮影に慣れてステップアップしたい人におすすめです。

Gopro

■アクションカメラ(例:GoPro)

GoProなどのアクションカメラは、軽量かつコンパクトで、アウトドア向けに作られたカメラです。防水機能が付いているものがほとんどですが、防水性はさほど高くないため、防水ケースに入れるなどの防水対策をすることで防水機能を高められます。

静止画撮影も可能ですが、動画撮影で使われることが多いため、写真ではなく動画を撮りたい人におすすめです。

水中カメラの選び方

上記のように水中カメラはさまざまな種類があり、使用用途や予算に合ったものを選べます。数多くのカメラが並ぶ店頭で水中カメラを選ぶ際は、下記の3点を確認しましょう。

防水性能

水中カメラ選びに欠かせないのは防水性能です。防水性能には、どれくらいの水深まで耐えられるかが記載されています。どれくらい潜るかを考え、それ以上の水深に耐えられる防水性能をもつカメラを選択するようにしましょう。基本的に、お持ちのライセンスの最大水深に耐えられる防水性能であれば問題ありません。

防水性能によっては「防水ハウジング」が必要です。「防水ハウジング」とは、防水機能の付いたケースのようなもの。購入したいカメラの防水性能が低い場合には、防水ハウジングに入れて防水性能を高くします。

また、撮影後の写真をSNSにすぐ上げたい人は、Wi-FiやBluetooth機能搭載のカメラを選びましょう。最近はスマホ連携機能を搭載したカメラが多く発売されていますが、スマホと連携できないカメラもあるため注意が必要です。

費用

カメラの購入時に気になるのが費用です。なるべく費用を抑えたい人はコンデジやアクションカメラがおすすめ。5万円程度から購入でき、やや性能の高いものでも10万円代で購入できます。一眼カメラの場合は専用の防水ハウジングが最低でも20万円代からが相場です。

防水ハウジングがあればスマホでの撮影も可能です。しかし岩などにスマホをぶつけたりすると故障する恐れがあるため、普段使いのスマホの場合は取り扱いには十分に注意しなければなりません。

スマホで水中撮影をする場合には紛失防止のために、腕を通して固定できるようなストラップや、BCDに固定できるアクセサリーを持参するようにしましょう。

水中ライトやストロボの接続

水中で撮影した画像や動画は自分の目で見た光景よりかなり暗く、色が出ません。

陸でも暗所撮影が難しいように、太陽光が届きにくい水中は深度や天気にとても左右されます。

そこで活躍するものが水中ライト・ストロボです。

水中カメラで撮影したい被写体を明るく照らしてくれるので、カメラも被写体を捉えやすく色がとても良くでます。

片手でカメラ、もう片手で水中ライトやストロボを持ちながらといった撮影は難しいので、アームという接続パーツを使ってカメラ(防水ケース)にライトやストロボを装着できるようにしましょう。

水中写真撮影ダイビングの4つのポイント

水中での写真撮影ポイント

最近のカメラはカメラ自体の性能が高く、特別な知識がなくても水中撮影を楽しめます。しかし普段生活している陸に比べて水中での撮影は、やはりなかなか上手く撮れないということもあります。そこで最後に水中撮影で綺麗に撮るポイントを3つご紹介します。

1.被写体にできるだけ近づく

水中撮影では被写体との距離が重要です。水中では被写体との間に水があります。被写体の間に水があればあるほど、撮影した写真が青っぽくなり写真がぼやけてしまいます。ズーム機能を使って被写体に近づくのではなく、実際に距離を近づけることで、被写体の間の水が少なくなりクリアな写真を撮影できます。

ワイド写真のように、あえて引きで撮影する方法もありますが、基本的には被写体に直接近づいて撮影するように心がけましょう。

2.上からのアングルだけでなく下からも!

泳ぎながらの撮影は、つい上からの写真になりがち。しかし上から撮影すると背景が岩場だけになってしまいます。綺麗な写真撮るためには背景も重要。下からのアングルで海全体を撮ることで、背景が広がるだけではなく魚のさまざまな表情が撮れます。

アングルを変えることを意識することで、同じ被写体でも写真のバリエーションが広がります。

3.ダイビングスキルをあげる

ダイビングスキルをあげることも、綺麗な水中写真を撮るための大切なポイントです。

ダイビングに慣れていない状態で水中写真を撮影しようとすると、カメラが動いてしまい手振れの原因に。特に動画を撮る場合は、手振れがひどいと見ている人が酔ってしまう恐れもあります。

手振れを無くすためにも、さまざまなアングルから撮影を楽しむためにも、ダイビングスキルをあげましょう。

どうしても手振れがひどい場合には、コンデジなどでの両手撮りがおすすめ。片手撮りは手振れがひどくなりがちなため、初心者のうちは両手撮りでなるべく手振れを抑えつつ、ダイビングスキルをあげていきましょう。

4.寒さ対策をする

水中撮影は被写体がブレないようにじっとした体勢であることが多く、運動量が少ないです。

身体の冷えはエア消費にも繋がってしまうので、防寒対策をしましょう。

ダイビングの寒さ対策は様々な方法があります

  • フードをかぶる
  • フードベストを着る
  • インナーを着る
  • 水中用のホッカイロを使う
  • ボートコートで冷えを防ぐ

防寒のための着用物はサイズがぴったり合っていないと寒さ対策にはならないので、レンタルの場合は特にサイズチェックに十分注意しましょう。

ダイビング中の寒さ対策について詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてください

冬のダイビングも快適!寒さ対策徹底ガイド

スキルアップに役立つSPコース

PADIピークパフォーマンスボイヤンシー・スペシャルティ

水中で浮いたり沈んだりしないように中性浮力を極めるコースを「ピークパフォーマンスボイヤンシー(PPB)」といいます。

中性浮力のマスターは水中カメラを楽しむためにはとても大事なスキルで、被写体を上手く撮ることはもちろん、撮影前後に砂を巻き上げないことや、水中生物を傷つけないことにも繋がります。

中性浮力はすべてのダイバーにとって必要なスキルなので、中性浮力に不安な方はぜひこのスペシャルティコースを受講しましょう。

ダイビングライセンス取得後はPPB!海を傷つけない中性浮力を身につけよう

PADI水中フォトグラファー・スペシャルティ

水中カメラを楽しむための基本から応用まで、水中撮影に特化したコースです。

撮影の技術だけでなく、カメラ機材のメンテナンス方法、水中環境や生物への知識・洞察力向上に繋がるレクチャーが行われるコースです。

特に水中カメラ機材のメンテナンスは重要で、間違えた知識だと高価なカメラの水没・破損に繋がってしまいます。

このスペシャルティコースで水中の撮影技術だけでなく、水中カメラ自体の扱い方やダイバーとしてのスキルアップに繋げてください。

練習におすすめのダイビングポイント

クマドリカエルアンコウ

関東圏のダイビングスポット

大瀬崎

国内のダイビングスポットとして長い歴史と絶大な人気のある大瀬崎エリアは、台風が直撃しない限り潜ることができると言われるほど安定した水中環境。

一年中ダイビングを楽しめ、四季折々の水中風景と生物を堪能できます。

また水中生物は伊豆一と言われるほど豊富で深海魚が現れることも。

クマドリカエルアンコウやミジンベニハゼなどのダイバーのアイドルがわんさかで、マクロ天国と称されていますが、ワイドも侮ることなかれ。

外洋に面したポイントでは、キビナゴなどの小魚の魚影の連帯や、カマスの群れ、小魚に向かって突っ込んでくるカンパチなど下を向いていたら勿体無い光景が、頭上で繰り広げられています。

初心者から上級者まで、特にフォト派ダイバーにとっては飽きることのない優良なダイビングスポットです。

和歌山のみなべでダイビング

関西圏のダイビングスポット

みなべ

和歌山の3大ダイビングポイントとして名高いみなべは、関西ダイバーにとっては馴染みのスポットです。

このみなべには、世界的にみても希少な「オオカワリギンチャク」という、ほのかに光るイソギンチャクが生息しており、フォト派ダイバーにはぜひ訪れてほしい場所。

ただ水深が約35mと深いため、PADIアドバンスド・オープンウォーター・ダイバーはもちろんPADIディープダイバー・スペシャルティの取得も推奨されています。

もちろんオオカワリギンチャクだけでなく、独特な色合いをもつケヤリや、テーブルサンゴの群生、マダラトビエイ・カンパチ・シイラといった回遊魚からハゼ類まで、マクロ・ワイド問わない水中環境があり、一年通してフォト派ダイバーを飽きさせません。

宮古島の来間ビーチでダイビング

沖縄離島のダイビングスポット

来間ビーチ

東洋一と言われる与那覇前浜ビーチの向かいにある来間島のビーチポイントで、美しい砂地と抜群の透明度に心奪われるスポットです。

エントリーしてすぐに広がる枝サンゴのリーフと、ミスジリュウキュウスズメダイやデバスズメダイなどの色鮮やかな生物たちが出迎えてくれる水中風景は、一瞬でダイバーの心を鷲掴みに。

360度絶景なので、どのような写真を撮りたいか陸でしっかりシミュレーションすることをおすすめします。

最大水深が約6mと浅いビーチなので、エア消費が比較的少なく減圧も不要、時間を気にせずたっぷりと水中撮影を安心して楽しんでください。

ちなみにエビやカニなどの甲殻類や夜光虫も多く生息している場所で、ナイトダイビングもおすすめです。

来間ビーチはマレア宮古島ダイビング情報ブログでも紹介しています。
初心者でも楽しめる宮古島のダイビングポイント3選

まとめ

広大な海の景色を写真におさめよう

魚の泳ぐ姿やサンゴの揺れる姿、魚群の大移動など、海の中は普段見ることのできない非日常の景色で溢れています。

直接目で見るだけではなく写真に収めることで、幻想的な景色を友人や家族に共有したり、大切な思い出として残したりしておくのも、スキューバダイビングの楽しみ方といえるでしょう。

また、スキューバダイビングと聞くと夏のアクティビティなイメージを持たれますが、さまざまな季節でも楽しめるのです。

陸に四季があるように、海の中にも四季があります。

興味を持たれた方は、水中写真の撮影に適したカメラを購入し、ご紹介した撮影のポイントを踏まえた上で、ぜひ水中撮影に挑戦してください。

上手く水中撮影ができなかった方は、水中ライトやストロボの使用も検討しましょう。基礎的なスキルアップのために、ピークパフォーマンスボイヤンシーや水中フォトグラファーなどのスペシャルティコース受講も忘れずに!

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