PADIフリーダイバーコースとは?息を止めて水中世界を楽しむためのステップ
更新日:2025.03.30.Sun   投稿日:2025.03.30.Sun
タンク(空気)を使用せずに水中を潜降するフリーダイビング。極限にまでリラックスし、水中環境と一体となる感覚は、スキューバダイビングとはまた違う独特な開放感が味わえます。
競技として楽しむ方も多いフリーダイビングは一見すると特殊な技術に見えますが、適切な指導のもとでレジャースポーツとして楽しむことが可能です。独学は耳や肺などの身体を傷つけたり危険行為につながったりする可能性が高いため、正式なライセンス講習を受けることを強くおすすめします。
スキューバダイビングと同様に、呼吸法、メンタルコントロール、水中での安全スキルをインストラクターから学ぶことが重要です。
PADIフリーダイバーコースの概要
スキューバダイビングのCカードで世界最大級の指導団体PADIが提供するフリーダイバーコースは、初心者でも安心して受講できるプログラムです。
フリーダイビングに不可欠な知識と技術を学び、平行・垂直の両方のダイビングスキルを段階的に練習します。いきなり海に飛び込むのではなく、まずは学科講習で知識を深め、プールや限定水域(波が穏やかな浅瀬)で呼吸法や泳法を徹底的に練習した後に、海での実践へと進みます。
素潜り初心者から中級者まで、それぞれのレベルに合わせた柔軟な指導により、不安を払拭しながら技術を習得することができます。
近年、日本でもフリーダイビングの大会やツアーが増加しており、専用資格の需要が高まっています。世界的に認知度No.1のPADIのCカード(認定証)を持っていれば、スキューバダイビングと同様に、世界中どこでも活用することができるでしょう。
フリーダイバーコースの内容とスケジュール
PADIフリーダイバーコースは「12歳以上」「泳ぐことができる」「健康である」ということが参加条件となります。参加前の厳格な認定条件はなく、基本的なフリーダイビングのスキルを段階的に学びます。
講習内容 | <学科講習>
eラーニングとテスト <プール講習 > スタティック・アプネア(静止状態で息止め) ダイナミック・アプネア(平行潜水) レスキュー・スキル <海洋講習> フリーイマージョン(フィン未使用、ダイブライン使用) コンスタントウエイト・ダイブ(垂直潜水) レスキュー・スキル |
スケジュール |
<都市型スクールで受講の場合> 【1日目】学科講習、オリエンテーション 【2〜3日目】プール講習(各3時間) 【4日目】海洋講習(日帰り) <沖縄リゾートで受講の場合> 【旅行前】学科講習(eラーニング) 【1日目】オリエンテーション・プール講習 【2日目】海洋講習(同日夕方以降のフライトOK) |
スキューバダイビングのコースと大きく違う点として、最初からレスキュースキルを身につけることがあります。息を止めて潜るという性質上、安全性を高めるために基本スキルとしてレスキューを身につけていただきます。
フリーダイビング講習の目標
PADIフリーダイバーコースの具体的な目標値は以下の通りです。
スタティック(静止状態で息止め) | 90秒 |
ダイナミック(平行潜水) | プールで25m |
コンスタントウエイト(垂直潜水) | 海で水深10m |
講習修了後も定期的な練習を行い、より快適なフリーダイビングができるよう心掛けることが大切です。プールでのトレーニングやダイビングツアーの参加を積み重ねることで、呼吸の音がしない静寂な海や、海洋生物との一体感をさらに深めることができます。
技術の向上とともに、水中世界の魅力をより深く体験できる様になるでしょう。経験を積むごとに自身の限界に挑戦し、新たな水中の楽しみ方を発見できるはずです。
フリーダイビングに必要な器材と準備
フリーダイビングの際に使用する器材はスキューバダイビング時と選び方が異なります。必要な器材と選び方を紹介します。
マスク
スキューバダイビングと同様に鼻までシリコンで覆われたマスクを使用します。息止め中は水圧の影響を強く受けるため、マスク内の容積が小さめなものを選びましょう。フィット感と内容積のサイズが重要なポイントです。
シュノーケル
ダイブ中に水の抵抗を強く受けることから、よりシンプルなものを選びます。ドライトップやパージ(逆止弁)は付いていないものが使いやすいです。軽量で柔軟性のある素材が理想的です。
ロングフィン
ブレードの長さが80〜95cmと、通常のフィンの1.5〜1.7倍の長さがあり、推進力は抜群です。サンゴや岩石に当たって破損する可能性があるため、事前の練習は欠かせません。素材はプラスチック、カーボン、グラスファイバーの3種類。自身の脚力や予算に合わせて選択できます。
ウェットスーツ
ウェットスーツは面積が広く、水の抵抗を一番受けやすい器材です。イルカのようなツルツルとしたスキン生地で、身体のサイズに合わせたフルオーダーのスーツを選ぶことで、快適な潜水が可能になります。水温や潜水時間に応じて素材や厚さを選択しましょう。プール競技では1mmや2mm、海洋では2mmや3mmのウェットスーツが一般的です。
ウエイトベルト
フリーダイビング用のウエイトベルトはゴム製やシリコン製のシンプルなデザインが必須です。水圧によるウェットスーツの圧縮で起こるズレを最小限に抑え、柔軟に対応します。安全性と快適性を両立する重要なアイテムです。
ダイブコンピューター
「深度のアラーム」「ダイブタイム」の表示機能が最低限必要です。指定した深度や時間をアラームで知らせてくれるため、潜水中の確認作業を軽減できます。フリーダイビング機能のみのダイブコンピューターは安価なモデルが多く、初心者におすすめです。
セイフティ・ラニヤード
潜降ロープからダイバーの身体が離れないようにする安全器具です。予測不能な潮流や視界不良に備える上で、必須のアイテムです。類似品ではなく、専用の安全基準を満たしたラニヤードを使用しましょう。
イコライゼーションツール
陸上での耳抜き練習用器材です。耳管を痛めないように使用するようにしましょう。耳抜きに問題がない方でも、より深く潜るための潜水スキルの向上につながるため、ぜひ活用してください。
トレーニングの環境と場所
安全にフリーダイビングのトレーニングをするために、適切な環境とおすすめの場所を紹介します。
フリーダイビングに適切な環境
トレーニング時は、波や潮の影響がなく水中も濁らないプールが最善です。しかし海でサンゴや魚たちと泳ぎ、海と一体となる感覚が欲しいですよね。最適な環境は以下の4つの条件を満たす場所です。
- 透明度が高い
- 水深が十分にある
- 流れが穏やか
- 水温が適度に温かい
4つを満たしていたとしても、天気や波の予報も必ず事前確認するようにしましょう。
フリーダイビングにおすすめの場所
夏から秋にかけての伊豆半島や紀伊半島、そして沖縄。これらの場所はプール施設やダイビングショップが近くにあり、フリーダイビングを行うにあたり快適で安全な環境が揃っています。具体的には以下のような条件がフリーダイビングの練習に適しています。
- ボートでアクセス可能なポイントが多い
- 水深が深くなる場所が陸から近い
- 5〜10分の移動で水深10m以上の場所がある
- ダイバーを目視しやすい15m以上の透明度
- 海水温が20℃以上ある
なお、どんなに最適な環境や場所でも1人行動は大変危険です。2人以上で行動するよう徹底してください。
まとめ
PADIフリーダイバーコースは専門的な知識と実践的なスキルを段階的に学べ、初心者でも安心して参加できる点が最大の魅力です。適切な装備と正しい技術を身につけることで、自然との深い調和を感じながら、息を止めて水中の神秘を体験できます。
安全を最優先に、自分のペースでスキルを磨くことが、忘れられない水中体験への近道となるでしょう。
マレアのフリーダイビングスクールでは、フリーダイビングインストラクター1人に対して生徒は3人までと、少人数制です。ほとんどの店舗に自社ダイビングプールがあり、フリーダイビングの講習が安全で集中できる環境を提供しています。
ご興味のある方は、ぜひ一度コースの説明を聞きにご来店ください。