奄美大島でダイビングと観光を楽しむおすすめポイント
更新日:2024.02.27.Tue   投稿日:2024.01.29.Mon東京の羽田空港から約2時間で到着する鹿児島県の楽園、奄美大島(あまみおおしま)。今もなお残り続ける独特な文化と伝統、大自然を体験できる世界自然遺産の島です。日本最大級のマングローブ林や200種類以上のサンゴが生い茂る美しい海に癒されることができます。
奄美大島には真っ白な砂地や一面サンゴの美しいダイビングスポットが数多くありますので、陸上のおすすめ観光スポットと共にご紹介します!
【こちらもおすすめ】
奄美大島ってどんなところ?
鹿児島県の離島である奄美大島は、鹿児島市と沖縄本島の中間に位置しています。島の面積は約712km²で山と海に囲まれており、その美しい海と固有種が数多く残る自然の豊かさから、小笠原諸島と同様に「東洋のガラパゴス」と呼ばれています。
この奄美大島には、日本最大級のマングローブ原生林や亜熱帯照葉樹林が広がっており、特別天然記念物のアマミノクロウサギなど独自の豊かな生態系を保っている貴重な島として有名です。また、2021年7月には、お隣の徳之島、沖縄島北部、西表島と共に世界自然遺産に認定されました。
奄美大島へのアクセス方法は空路と航路の2種類があり、羽田空港からは飛行機で約2時間10分、大阪の伊丹空港から1.5時間、関西国際空港から2時間、鹿児島空港からは1時間15分と、本州や九州南部から訪れる際には沖縄より少し近く、アクセスの良い場所に位置しています。
奄美地方の年間平均気温と水温
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
気温 | 17.5 | 18 | 20 | 23 | 26 | 29 | 32 | 32 | 30 | 27 | 23 | 19.5 |
水温 | 20 | 20 | 20 | 21 | 23 | 26 | 29 | 30 | 29 | 27 | 24 | 21 |
奄美大島の海の特徴やおすすめポイント
1:奄美大島には多くのダイビングポイントがある
奄美大島のダイビングエリアは、大きく分けて3つ。奄美空港近くの北部エリア、繁華街の名瀬がある中部エリア、加計呂麻島(かけろまじま)がある南部エリアです。
奄美大島全体で15件前後のダイビングショップがあり、その多くが北部と南部を拠点にしています。また、奄美大島は東側に太平洋、西側には東シナ海があり、両方の海を楽しむことができます。それぞれ違う顔を持つ多くのダイビングポイントがある島です。
黒潮が近くを通っているので水温が高く、生物の数も豊富で潜るたびに違ったダイビングを経験することができるでしょう。
そして、多くの山や川がある地形は水中までその形状が続いており、山の頂上のようにダイナミックなケーブやホールから、浅瀬でのサンゴ鑑賞などもでき、幅広いダイバーやシュノーケラーに人気があります。
2:どこに現れるかわからないミステリーサークル
例年では4月~7月頃にかけて、奄美大島の固有種であるアマミホシゾラフグが作る産卵床が人気を集めています。この「ミステリーサークル」を作るアマミホシゾラフグは、産卵時期になるとメスを呼び寄せるために神秘的で美しい模様を砂地に描きます。
アマミホシゾラフグは、直径2mほどもある大きなサークルを、わずか全長10cm~15cmほどの身体で作り上げます。しかし、この幾何学模様のミステリーサークルは、2011年に水中写真家の大方洋二氏が見つけるまで、何年も誰が作ったのか解明されておらず謎に包まれていました。
1週間ほどかけて作るこのミステリーサークル、現在では多くのダイバーが「一度は見てみたい」と願っており、毎年現地ショップからの情報を今か今かと待っています。
3:温暖な海ならでは!豊富な 種類のサンゴが見られる
奄美大島で見ることができるサンゴは、なんと220種以上。日本屈指のサンゴパラダイスである沖縄並みといわれています。年間の平均水温が23度を超えている奄美大島。この島ならではの豊富な種類のサンゴは、数々の海洋生物の住みかとなっておりダイバーたちを楽しませてくれます。
また、サンゴやイソギンチャクがカラフルであるため、そこに群がる魚達もそれに合わせてカラフルです。
シュノーケリングで十分に楽しめるほど、浅瀬にサンゴが広がっている場所もあるため、ダイビングの合間にもゆっくりと撮影に時間を使うことができるのも魅力。
スカシテンジクダイやキンメモドキの群れ、ニシキテグリやハゼの仲間、ハナダイやハナゴイの仲間、数種類のクマノミやスズメダイなど、カラフルな南国の魚達に出会える海です。
奄美大島でおすすめのダイビングポイント
大仏サンゴ(北部)
- 移動時間:港から約10~15分
- 水深:18m~20m(15mほどの浅瀬にも見どころあり)
- レベル:ビギナーからOK(流れほぼなし)
- 見られる生き物:ヒレナガネジリンボウ、ヤシャハゼ、ハナゴイ、キンギョハナダイ、コブシメ、ウミガメ、ユカタハタ、アマミスズメダイ、ガーデンイール、フリソデエビ、各種ウミウシ等
奄美大島北部にある人気ポイントのひとつ。その名の通り、大仏の頭に似た形の巨大なサンゴがあります。サンゴの名前は、コモンシコロサンゴ。一つひとつは楕円形の形をしており、ここではそれらがいくつも集まって幅約20m・高さ約7mの巨大なサンゴの塊に成長しています。
港から15分ほどの場所にあり、砂地に突如として現れる巨大なサンゴとその周りを泳ぐカラフルな魚達の姿は圧巻です。ここでは、コブシメやハナゴイ、ハナダイ、スカシテンジクダイ、キンギョハナダイなど、数多くの魚達を見ることができ、ワイド派もマクロ派も楽しめるポイントです。
また、初心者さんやオープンウォーターダイバーにも優しく、-15-16mほどの水深で楽しめる場所でもあります。北部で潜る際にはぜひリクエストしてみてください。
山本スペシャル(北部)
- 移動時間:港から約10分
- 水深:5m~14m
- レベル:ビギナーからOK(流れほぼなし)
- 見られる生き物:クマノミ、各種ウミウシ、オトヒメエビ、ハナヒゲウツボ、スカシテンジクダイ、ヨスジフエダイ、ケラマハナダイ、クロホシイシモチ、ニシキフウライウオ、オキナワベニハゼ、ヤッコエイ等
山本スペシャルは、船が停留する場所の真下が約5mと初心者にも安心なポイントです。ボートから飛び降りた瞬間から、その青さと足元に広がるサンゴや魚達に驚くことでしょう。ビギナーさんは、浅場を中心にクマノミやウミウシ観察をのんびりと楽しみ、慣れて来たら砂地(水深15mほど)へ移動して、根の周りに群れている魚達や根に住みついている甲殻類などの観察をすることができます。
少し離れた場所から根とカラフルな魚の群れをゆっくり眺めていると、まるで美しい映像を見ているかのようなリラックスした時間を過ごせます。また、南国ならではのヨスジフエダイの群れはもちろん、水面から降り注ぐ太陽の優しい日差しが砂の上をゆらゆらと揺れる姿は、何時間でも見ていられるほど綺麗です。
嘉鉄湾(南部)
- 移動時間:港から約10分
- 水深:3~20m
- レベル:ビギナーからOK(干満の時間帯によっては流れあり)
- 見られる生き物:ウミガメ、ケラマハナダイ、キンギョハナダイ、ミナミハタンポ、スカジテンジクダイ、ノコギリダイ、チンアナゴ、ミツボシクロスズメダイ、オニダルマオコゼ、キンメモドキ、ユカタハタなど
嘉鉄湾(かてつわん)は、「嘉鉄ブルー」と呼ばれている青い海が特徴の、奄美大島南部を代表する人気エリアです。ここは、過去にアマミホシゾラフグが作るミステリーサークルでも有名になった場所で、真っ白な砂地とサンゴが特徴です。
湾内には、主に3箇所のポイントがあり、嘉鉄オアシス・嘉鉄西・嘉鉄東と呼ばれています。どれも初心者から上級者まで楽しむことができ、ウミガメの遭遇率も高いです。全体的に、初心者にも優しい浅い水深で、エントリー直後にある根にはたくさんの小魚が群れています。帰りも安全停止をしながら、南国ならではのカラフルな魚を最後まで楽しめるポイントです。
また、真っ白な砂地に様々な大きさの根が点在しており、ケラマハナダイやスカシテンジクダイなどが集まっています。深場もあるので、上級者の方でも楽しむことができるでしょう。
浅場の枝状サンゴの周りにはデバスズメダイが視界を覆うほど群生しており、シュノーケリングでも楽しめます。
奄美ホール(南部)
- 移動時間:港から約60分
- 水深:15~40m
- レベル:中級~上級ダイバー向け(干満の時間帯によって強い流れあり)
- 見られる生き物:ピグミーシーホース、アケボノハゼ、キビナゴ、キンギョハナダイ、カスミチョウチョウウオ、ヤマブキスズメダイ、レンテンヤッコ
港からボートで約1時間の外洋ポイントで、奄美群島トップクラスのダイナミックな地形が人気です。最大水深は40mほどあり、海面まで突き出た大きな岩やホール、アーチがあり、地形派ダイバーからのリクエストが非常に多いアドベンチャーポイントです。
黒潮が通る東シナ海の外洋に面しているため透明度が高く、潮が当たる場所なのでイソマグロなどの回遊魚や大物も狙えます。メインはもちろん、ポイントの名前にもなっている「奄美ホール」。入口は水深10mほどですが、中に入ると水深30mあたりまで巨大な穴が空いています。
ホールの中はとても広く、10人以上のダイバーが一度に入っても余裕があるほど。ホールに降りて下から入り口を見上げると、吸い込まれるような青白い光が非常に美しいです。光を背景に、ぜひバディで写真撮影にもチャレンジしてみてください。
また、途中で横穴につながっており、穴の中には珍しい生き物やウミウシが多く生息しているため、マクロ派ダイバーにもおすすめのポイントです。
奄美大島の観光情報
お土産と言えば「ビッグツー」
奄美大島のスーパーと言えば「ビッグⅡ(びっぐつー)」。奄美のお土産「あまみやげ」から生鮮食品、青果に惣菜などの食材、日用品まで何でもそろう地元の大型スーパーです。
長期滞在する方々やお泊りの宿にキッチンが付いている場合は、ぜひここで地元食材や地元酒造の黒糖焼酎などのお酒を購入してから宿に向かってください。
また、購入したおみやげをその場で発送することもできるので、スーツケースやトランクの容量を心配することなく、ご家族やご友人へのお土産が買えるのも嬉しいポイントです。
おすすめのおみやげは、奄美の黒糖でできたものです。奄美大島は言わずと知れた黒糖の名産地。至る所にサトウキビ畑が広がり、空港近くには大きな精糖工場もあります。その歴史は古く、製造が始まったのは江戸時代。カルシウムやカリウムなど、多くのミネラルを豊富に含んだ黒糖でできたおみやげをぜひお試しください。
地元グルメの「鶏飯」
奄美大島には、独特の名産品や特産品がたくさんあります。そのなかでも、ぜひ食べていただきたいのが「鶏飯(けいはん)」です。鶏飯とは奄美大島で愛されている郷土料理のひとつで、炊き立てのご飯に具をたくさん乗せて、だしをかけて食べるお茶漬けです。
元々は、鹿児島全域で鶏を飼う習慣が各家庭にあり、お客様をもてなす際や祝辞の際にその鶏を捌いて食べる文化があったことが始まりです。当初は、全国にある「鶏飯(とりめし)」と似た炊き込みご飯のスタイルでしたが、現在はお茶漬けのスタイルになりました。基本の具材は、鶏肉、干ししいたけ、錦糸卵、パパイヤの味噌漬け、みかんの皮ですが、家庭やお店ごとに若干異なります。これらを乗せたご飯に、熱々の鶏ガラスープをかけて食べる料理です。
奄美大島には、沖縄や他の離島とはまた違った独自の食文化があります。とても美味しいので、ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
人気の島とは言え、まだまだ手つかずの自然が残っている奄美大島。山も川もあるこの島は、豊富な生物たちによって形成されています。黒潮の影響を受けて豊かに育った海には、アマミホシゾラフグを始めとする貴重な海洋生物が生息しており、陸上にはアマミノクロウサギや固有種の美しい鳥たちがのびのびと生活しています。山から海まで見どころ満載の奄美大島。自然が豊かで歴史深いこの「東洋のガラパゴス」に来て、全身で自然を感じましょう。
ダイビングスクールマレアは、旅行業の国家資格である旅行業務取扱管理者の資格所持者が在籍しており、マレア各店では奄美空港からアクセスの良い北部を中心に2泊3日から3泊4日の奄美大島ダイビングツアーを開催しています。
ダイビングライセンス取得後は、様々な場所を潜るためのスキルアップやランクアップコースに挑戦し、日本の人気ダイビングスポットへのツアーに参加して、心震える感動の景色に出会いましょう!
【関連記事】
【福岡・東京からアクセス良好!鹿児島県の離島ダイビング】