ダイビングが怖いと感じる方必見!原因と解消方法をご紹介
更新日:2023.12.07.Thu   投稿日:2023.11.27.Monダイビングをしていて、何か息苦しさを感じたり、とにかく水の上に上がりたいと感じたりなど、ちょっとしたトラブルで急に恐怖心が芽生えたりした経験はありませんか。特に体験ダイビングやライセンス取得講習において、慣れない水中という場に身を置いたことがきっかけとなって「怖い」と感じた方は少なくありません。
しかし、実はダイビングは丁寧に手順を踏み、トラブルに対処できるスキルを身につけ、守るべきことを守っていれば安全で楽しいアクティビティです。ここでは、多くのダイバーがどのような場面でダイビングに対して恐怖心を抱いたかを紹介し、実際にダイバーが体験した事例を元に、初心者ダイバーでも水中で恐怖心を抱かなくなるための対策方法について学んでいきます。
ダイビングが怖いと感じる原因
初心者ダイバーにとって、ダイビングが「怖い」と感じてしまう原因は大きく分けて4つあります。
呼吸に息苦しさを感じる
陸上では無意識下で鼻呼吸をしている私たちにとって、ダイビング中にレギュレーターをくわえて口呼吸することがストレスになり、息苦しさを感じる原因となります。また、着慣れないウエットスーツや、重たい器材を背負っていることで体が締め付けられ、「息苦しい」と感じる場合もあります。そのような違和感が「うまく呼吸ができない、閉塞感を覚える」という恐怖心に変換されてしまうきっかけになります。
海水を飲んでしまった
ダイビング中、何らかの拍子に水を飲んでしまうことがあります。レギュレーターの咥え方が浅くて水が入って来てしまったり、レギュレーターのリカバリーに失敗して水ごと飲んでしまったり。または、周囲の岩や一緒に泳いでいるダイバーのフィンが当たり、レギュレーターが外れてパニックになってしまうこともあり得ます。海水を飲んでしまうとしょっぱいですし、苦しくてせき込んでしまい呼吸がしにくく「怖い」と感じます。
マスクに水が入ってくる
マスククリアをきちんと習得していないと、マスクに入ってくる海水に上手く対処できず、視界を遮られたことで恐怖心が芽生えます。また、レンタル品を使用していた場合、セッティング時に自分の顔にきちんとマスクをフィットさせられず、海水が侵入してくる場合もあります。
水中の深さに恐怖心を感じる
水中では、深度10mほどで20%程度の太陽光しか届かなくなります。透視度が低かった場合は、さらに光の届く範囲が狭くなります。そのような環境下で、深い海の底に吸い込まれてしまうような錯覚を起こし「怖い」と感じます。
「怖い」と感じる原因は1つではなく、潜っている環境や、トラブルがきっかけになることがわかりました。次に、ダイバーたちが実際のダイビング中に感じた恐怖体験について紹介します。
水中で恐怖を感じた事例
前の章では「怖い」と感じる原因について学びました。次にご紹介するのはダイバーが実際に経験した事例です。先程の文章を振り返りつつ、何がきっかけで恐怖心を覚えたのか、ぜひ考えながらご覧ください。
耳抜きがうまくいかずに恐怖を感じた
Aさんはダイビング歴13年のダイバーで、沖縄や伊豆を中心にそれまで大きなトラブルもなくダイビングを楽しんでいた。いつも通り、週末に車で伊豆への1泊2日のダイビング旅行に出かけたが、1日目のダイビングでDECO(無限圧潜水限界時間を超えてしまうこと)を出してしまったため、2日目は大事を取って水深の浅いビーチで潜ることにした。
ところが、その日はうねりが強く、船酔いしやすい体質なのでエントリーしてすぐに吐き気に襲われてしまった。気持ち悪さを我慢しつつ、潜降しながら耳抜きをしたが、耳がなかなか抜けない。水深4〜5mを行ったり来たりしながら、耳抜きを繰り返す。うねりが身体を左右に揺らし、吐き気もどんどん加速する中で思い切り力み続けた結果、「バチッ」と耳の中でいまだかつてないほどの爆音がして、耳と頭全体に激痛が駆け抜けた。
耳と頭の割れるような痛さ、そして洗濯機に放り込まれたような速さで回転する視界。パニックを起こしながらも水深5m地点から水面を目指し、インストラクターが浮上するのをじっと待った。その間ずっと恐怖と痛みに襲われていた。
後日、病院に行くと「外リンパ瘻」の診断でしばらく大好きなダイビングが禁止となってしまった。その後、半年をかけてリハビリとトレーニングをし、スキューバダイビングを再開することができた。
水深の深さに恐怖を感じて急浮上
Bさんはもともと水への恐怖心があったダイバー、しかしダイビングへの憧れが強く、ダイビングスクールの説明会へ参加し、熟考した上でCカードを取得することにした。
3日間の講習期間のうち、足が着く深さで練習をするプール講習までは問題なくクリアできた。しかし、海洋講習2日目、船で沖合いのポイントへ行くことになった時に異変が起きた。初めて見る水深の深さに尻込みしてしまい、水面にいる段階でパニックを起こしてしまったのだ。
講習ということもあり、恐怖心を隠しながら水深7mまで到着、そのまま泳ぎはじめたが、水面に上がりたい気持ちを堪えきれず急浮上してしまった。
その後もインストラクターに励まされながら潜降したが、2度目も精神的に耐えられず急浮上してしまった。その後「急浮上は危険だから水中で対処する方法を身につけよう」と言うインストラクター指導の下、深呼吸をしながらゆっくりと泳ぐことを意識したところ、恐怖心が薄れ、無事にライセンス講習を修了することができた。
ベテランダイバーであっても、初心者ダイバーであっても、恐怖を感じる瞬間があります。しかし、水中で恐怖心を芽生えさせないように対処することは可能です。次の章でその方法について学んでいきましょう。
水中で恐怖心を克服するための方法
水中での恐怖心を克服するために、複雑な手段を取る必要はありません。大きく分けて4つの方法がありますが、いずれもダイバーが身につけるべき重要な基本スキルと言えます。それでは詳しく見ていきましょう。
水面付近で水に慣れる時間を作る
エントリー後に水面で集合してからすぐに潜降すると、息が整わないままダイビングを開始することになり、自然と呼吸が乱れてしまいます。インストラクターの方がOKかどうか確認してくれた際に「少し待ってほしい」という意思表示をすることは非常に重要です。「これから楽しいダイビングが待っている!」という気持ちを作る時間にもなるので、しっかりと水に慣れる時間を作りましょう。
レギュレーターからの呼吸法をしっかり学ぶ
レギュレーターはダイビングを行う上で生命線とも呼べる器材です。使い方を正しくマスターし、構造を理解することで口に水が入ってくる、といったトラブルを回避することができます。また、ゆっくり息を吸って吐くという行為を継続することで、精神的にも安定し、恐怖心を抱きにくくなります。
何があってもしっかり呼吸することを意識する
人は何か予期せぬことが起こった際、咄嗟に息を吸い込んでしまう習性があります。その際、口に水が入ってきたり、正しい呼吸を行えなくなったりします。どんなトラブルに見舞われても、平静を保ち、ゆっくりと呼吸することを忘れなければ「怖い」という感情に飲み込まれるのを防ぐことができます。
正しい器材の使い方を学ぶ
ダイビング器材は「自分の命を預けるもの」と言えるほど重要なものです。自分の体にフィットする器材を選んだり、その役割を正しく理解したりすることは、ダイビング中のストレスを緩和させるだけでなく、安全にダイビングを行うために必要不可欠です。
水中で恐怖心を克服するためには正しい呼吸法がとにかく大事であること、水面付近でしっかり水に慣れること、正しい器材の使い方を学ぶこと、どれも講習の際に習うことですが、恐怖心を抱かないための重要な役割を果たしています。
最後の章では、上記の方法を身につけるための手段を紹介します。
正しいダイビングスキルを身に着けるには
ダイビングスキルを独学で学ぼうと試みても、普段自分がどのように泳いでいるか客観視することは難しいものです。そのため、ここでは独学以外の方法でスキルを学ぶ手段を3つご紹介します。
ダイビングスクールに通う
1つ目はダイビングスクールに通うことです。器材脱着から1つ1つのスキルが身につくまで、丁寧に練習を重ねることが可能で、講師からのアドバイスによってその場でフィードバックを得られるのが魅力です。また、プールでのスキル練習に多くの時間を費やすため、水中での恐怖心を抱くことなく、じっくりとスキルアップに力を入れることができます。
ダイビングインストラクターに上達方法を聞いてみる
2つ目は普段のファンダイビング後に、インストラクターへ自分のダイビングのフィードバックをもらう方法です。ダイビングインストラクターは間近でダイビングの様子を見てくれているため、的確なアドバイスをくれる先生のような存在です。臆せず気になったことや、足りなかったスキルを次回のダイビングで練習してみたいと伝えてみるのもいいでしょう。
YouTubeやブログ記事などで勉強し、実践してみる
3つ目は動画や文章からダイビングを学ぶ方法です。YouTubeでは、ダイビングショップのインストラクターやベテランダイバーたちが、自身の経験やスキルについて動画で説明してくれるため視覚から技術を学ぶことのできるツールです。また、ブログ記事はより深く知識を深めたい時などに役立ちます。集めた情報をダイビングの時に実践することで、独学より効率的にスキルを学ぶことができます。
【動画で学ぶ】ダイビングスクールマレア公式YouTubeチャンネル
正しいスキルを身に着けるために、一番手早くスキルが向上するのはダイビングスクールに通うことです。しかしながら、普段のダイビングでも多くのことを学ぶ機会があります。ぜひ自分に合った方法で恐怖心に打ち勝つための上達手段を見つけてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。ダイビングには「怖い」と感じる要素が様々ありますが、きちんとした呼吸法や正しいダイビング器材の使い方を学ぶことで、ほとんどの問題が解消されると言えます。また、ダイビングスキル向上は恐怖心を抱かないための手段として重要であることも分かりました。スクールに通い手早くスキルアップすることや、YouTubeを視聴し独学で勉強するなど、様々な手段があるため自分に合った方法で技術を身につけることができます。
ぜひ正しいスキルを学び、「怖い」ダイビングから脱却し、安全で楽しいダイビングライフを送ってください。