ダイビングって季節問わずに1年中できるって聞いたけど本当?

更新日:2023.04.10.Mon   投稿日:2023.02.08.Wed

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ダイビングは世界各国の海で楽しむことができるレジャースポーツです。また、季節を問わず楽しむことができるところもスキューバダイビングが人気の理由なのではないでしょうか。

どれぐらい人気があるレジャースポーツかと言いますと、国内だけでも毎年約4万人が新たにスキューバダイビングのライセンスを取得し、趣味として始めている方がいるほど。

また、世界各国にはたくさんのダイバーが存在しますが、実は人口に対してダイバーの割合が最も多いのが日本なのです。なぜ、日本は他国に比べてダイビングがそんなに人気なのでしょうか?

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ダイビングって季節問わずに1年中できるって聞いたけど本当?

日本が他国と大きく違うところは春夏秋冬の四季がはっきり存在するところです。ダイビングスポットの多い国ではほとんど四季が存在せず「雨季(降水量が多い時期)と乾季(降水量が少ない時期)」の気候が多いです。

日本のように四季が存在することにより、同じダイビングポイントでも季節ごとに見所も変わってくることから、常に新鮮さを味わうことができるのです。

また、北は北海道、南は沖縄に渡るまで、まったく違う環境でダイビングをすることができるのも日本ならではの特徴です。

首都(東京)から南へ3時間移動すれば、カラフルな熱帯魚に囲まれる海でのダイビング、北へ3時間移動すれば、流氷下でクリオネなどを観察することができるダイビングを1つの国で経験することができるのも日本のダイビング環境の特徴です。

しかし、多くダイバーが「ダイビング=夏」のイメージを持っており、秋や冬はダイビングから遠ざかりがちなのも事実です。それではせっかくのダイビング大国である日本のダイバーとして、とてももったいないです。

この記事を読んだ後は、「ダイビング=夏」から「ダイビング=オールシーズン」というイメージにしていただければ幸いです。

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※この記事は2021年9月30日に公開されたものを随時更新しています。

沖縄と本州のシーズナリティ

1.シーズナリティー

各地域でダイビングを行うにあたり、気になるのは、やはり過ごしやすさではないでしょうか?

ここでは沖縄方面と本州に分けて、気温、水温、海の透明度を季節ごとにまとめました。また、各シーズンでどのようなダイビングスーツを着用すると快適なダイビングができるかを記載していますので、今後のダイビング活動の参考にしてください。

季節ごとの気温、水温、海の透明度

【沖縄のシーズナリティ】

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
気温 18℃ 19℃ 20℃ 23℃ 25℃ 28℃ 29℃ 29℃ 28℃ 25℃ 23℃ 20℃
水温 21℃ 21℃ 22℃ 24℃ 26℃ 27℃ 29℃ 28℃ 28℃ 26℃ 24℃ 22℃
透明度 35m 35m 25m 20m 20m 25m 25m 25m 25m 30m 30m 35m

※気温、水温は平均温度を記載しています。
※青色部分はドライスーツ/黄色部分はウエットスーツでのダイビングに適しています。

7月~9月が最も水温が温かく快適にダイビングができる時期ですが、他の月に比べてやや透明度が劣ります。また、最も観光客が多い時期でもあり、混雑が予想されます。そして、この時期は最も台風が多い時期でもあります。

上記を考慮した上で最もオススメな旅行時期は9月~11月頃と言えるでしょう。

【本州のシーズナリティ】

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
気温 6℃ 8℃ 11℃ 16℃ 18℃ 23℃ 26℃ 30℃ 24℃ 22℃ 15℃ 11℃
水温 17℃ 14℃ 13℃ 16℃ 17℃ 21℃ 24℃ 25℃ 25℃ 23℃ 21℃ 20℃
透明度 18m 23m 10m 6m 8m 9m 9m 10m 12m 15m 15m 17m

※気温、水温は平均温度を記載しています。
※青色部分はドライスーツ/黄色部分はウエットスーツでのダイビングに適しています。

春先は水温上昇に伴い、プランクトンが増え始め、透明度が下がります。9月ぐらいから徐々に透明度が良くなり、1月~2月が1年で最も透明度が良くなります。

水温こそ低いものの、沖縄と変わらないぐらいキレイな海を楽しむことができる時期です。

季節ごとにダイビングスーツを使い分ける

1.シーズナリティー

ダイビングが夏のスポーツと思われている要因の1つとしては、夏以外の季節は「水が冷たい!」「寒い!」という理由ではないでしょうか。

海水浴では水着だけで海に入ることが多いので、夏以外の時期は正直寒いでしょう。しかし、ダイビングは違います。ダイビングでは保温の為に水温に適したダイビングスーツを着用します。

ダイビングスーツには「ウエットスーツ」と「ドライスーツ」があり、2種類のダイビングスーツを気温、水温、季節、地域によって使い分けることにより、オールシーズンで快適にダイビングを楽しむことができるのです。

ここからは、沖縄の海、本州の海、それぞれでどの時期にどちらのダイビングスーツを着用すれば良いかをご紹介します。この記事を読むことで、快適にダイビングをするためのベストなダイビングスーツを選択することができるでしょう。

沖縄でダイビングをする場合のスーツ

ウエットスーツの着用時期・・・4月~11月の8カ月間が目安です。
ドライスーツの着用時期・・・12月~3月の4カ月間が目安です。

上記をご覧いただいてお分かりの通り、夏の沖縄でしかダイビングをしないという方はウエットスーツで快適に保温ができるでしょう。しかし、それ以外の時期にも沖縄でダイビングをしたい方はウエットスーツでは最適な保温効果を得ることが難しくなりますので、ドライスーツを着用する方が良いでしょう。

本州の海でダイビングをする場合のスーツ

ウエットスーツの着用時期 ・・・7月~9月の3カ月間が目安です。
ドライスーツの着用時期・・・10月~6月の9カ月間が目安です。

本州の海では1年のほとんどの期間をドライスーツを着てダイビングを行います。また、通年ドライスーツでダイビングをする方も珍しくはありません。

1つの目安としては、水温23℃がダイビングスーツを切り替える目安にしてください。それを覚えておけば、どの地域でも通年で快適なダイビングができるでしょう。

また、ドライスーツに関してはスーツの中に衣類を着用することができますので、寒いと感じた場合には中に着用するインナーを厚手の生地に変更するか、重ね着をするなどして保温調整をすることで快適なダイビングができるでしょう。

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季節ごとに海の見所をご紹介

2.季節ごとに海の見所をご紹介

水中にも陸上と同じように季節の移り変わりがあります。気温、水温、季節、地域に応じて着用するダイビングスーツが異なるように、観察することができる生物も異なります。

ダイビングをする季節によって楽しみ方が異なることもダイビングの魅力の一つです。

春は魚達が増え始める時期!

春の海は水中生物の求愛や産卵シーンを観察できる機会が増えます。その為、産まれたばかりの幼魚達を見ることができます。

ただ、3月からプランクトンが増える時期になるため、水中はやや透明度が劣る時期になります。春先に透明度が落ちることを「春濁り」とも言います。

春濁りは、水中生物達の食糧となるプランクトンの発生によるもので、多くの生物達はこの時期に沢山の栄養を摂取して成長していきます。

もちろん、春濁りの時期でもダイビングを楽しむことはできます。春は水中生物の観察・撮影が楽しめる時期です。春に観察することができる水中生物はダンゴウオやアオリイカが有名です。

ダンゴウオは成長しても2cmほどのとても小さな魚で、春先に孵化し、生まれたばかりのダンゴウオは1cm以下となります。カジメなどの海藻の上にいる姿はとても可愛らしく、水中撮影を楽しむダイバーにとても人気の魚です。

体長50cmほどにも達するアオリイカは5月頃から産卵が始まります。目の前で繰り広げられる産卵シーンは圧巻です。夢中で産卵を行っているため、至近距離でアオリイカを観察することもできるのです。

スキューバダイビングといえば夏!

スキューバダイビングといえば!「夏」

夏は春先に生まれた様々な種類の幼魚達が群れを作り、水中がとても賑やかになる時期です。その幼魚達の群れに大型のアジなどが捕食しにやってくるのを観察することもできる季節です。捕食シーンはとても迫力があり、この時期の見所の1つでしょう。

6月頃から水中の濁りも落ち着いてきます。そのため、水中の景色や魚の群れを観察・撮影することがとても楽しい時期になります。

本州の海では8月頃からは世界最大級の暖流である黒潮に乗って、熱帯地域でしか見ることができない「季節来遊魚」を見ることができます。その他にも、体の色に特徴があるイシダイの幼魚やクマノミの産卵も観察できる機会が増えてくるでしょう。

太陽の日差しが1年で特に強い時期になりますので、海底洞窟に差し込む幻想的な光や、太陽の光がサンゴ礁に反射する神秘的な光景はこの時期ならでは!

夏は最も多くのダイバーが活動する季節でもありますので、他の季節に比べてダイビングポイントが混雑したり、予約が取りにくい時期でもあります。また、沖縄方面に行く方は台風の発生や直撃にも要注意したい季節でもあります。

実はベストシーズンの秋!

実はベストシーズン!「秋」

秋は1年の中で最もダイビングに適した季節と言われています。秋の海は生物観察も水中の景色もさらに楽しむことができる時期です。

春先に生まれた幼魚が夏を越え、秋にようやく成魚の大きさにまで成長し、ダイバーの目を楽しませてくれます。

また、夏より秋の方がさらに透明度も良くなり、季節来遊魚も夏以上に増えます。秋はまだまだ水温が高く、生物の種類が豊富で、沖縄でも本州の海でもベストシーズンと言われる時期に突入します。

秋に観察することができる水中生物は、ネジリンボウやカエルアンコウが有名。カエルアンコウは種類も体色も様々です。幼魚は1cm以下ととても小さいですが、成長すると人間の顔くらいまで大きくなるカエルアンコウもいます。

秋でも水温はまだ比較的高い状態を保っていますが、気温が下がる時期ですので、ダイビング後に着用できる防水ジャケットやボートコートのようなものがあると良いでしょう。

抜群の透明度を満喫できる冬

抜群の透明度を満喫することが出来る!「冬」

冬の海は1年の中で水中が最も綺麗になる時期です。海藻やプランクトンが減るため、本州の海でも沖縄のように真っ青な海を楽しむことができます。

気温、水温ともに低くなるため、しっかり防寒する必要がありますが、寒いからこそ、綺麗な水中景色を楽しむことができます。

クリスマスシーズンには水中でクリスマスツリーを見ることができる場所もあります。これはダイバーにしか見ることができない冬の景色ですね。

抜群の透明度を満喫することが出来る!「冬」

冬に観察できる水中生物はウミウシが有名。ウミウシは種類が豊富です。ダイバーには海の宝石とも言われています。

動きがゆっくりなので、水中撮影の練習にもなります。小さな水中生物の観察や撮影を楽しめるのが冬の海の魅力です。

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ダイビングライセンスを取得するオススメの時期は?

ダイビングライセンスを取得するオススメの時期は?

都市型ショップでダイビングライセンスを取得する場合は最低でも4回~6回程度、ダイビングショップに通って各講習に参加する必要があります。

ダイビングショップにより若干の日程や所要時間は異なりますが、一般的な流れを説明します。

PADIオープンウォーターダイバーコースの流れ

1.学科講習

所要時間:約6時間(1日~2日で受講)
平日のお仕事帰りに受講する場合などは2日間に分けて受講することができます。また、指導団体やダイビングショップによっては、自習によるオンライン学習だけで終了することもあります。

2.プール講習

所要時間:約8時間(1日~2日で受講)
学科講習と同じで、お仕事帰りに受講する場合は2回に分けて実施することができます。日本ではプール講習を1日で終了するスクールが多いですが、8時間もの間をプールに入りっぱなしだと体が冷えたり、集中力が低下したりします。

可能なら3〜4時間×2日間に分けて受講できるダイビングショップがベストでしょう。

3.海洋講習

所要日数:2日間(日帰りで2回か1泊2日で1回)
海洋講習では4回のダイビングを実施します。1日ではすべてのダイビングを終了することができないので、必ず2日間が必要となります。また、できるだけ2日連続で参加したほうがスキルを忘れることなく潜ることができ、上達しやすいでしょう。

上記のように、PADIオープンウォーターダイバーコースでは合計4~6日間で進めていくため、申込みをしたからと言って今週末にすぐ海で潜れるわけではありません。

また、都市型スクールでの4~6日間の受講日程は、沖縄や海外リゾートのように連休を使った連日参加ではなく、普段の休日や平日のお仕事帰りにダイビングショップに行き、受講することが可能です。

多くの方が1ヶ月〜2カ月間の中で4回~6回を通うためのスケジュール調整をしています。そのため、夏に海でダイビング(海洋講習)がしたい場合、夏に始めるのではなく、4月~5月ぐらいに受講を開始するようなスケジュールで進めると夏に海洋講習を受講することができるでしょう。

もちろん、ダイビングライセンスを取得することができる時期は夏だけではありませんし、夏にこだわる必要もありません。先述した通り、ダイビングをする一番のオススメの時期は秋(10月~11月頃)です。

秋にダイビングライセンス取得をオススメする3つの理由

<h4>1.透明度が良くてキレイな海を満喫できる

夏に比べると秋は透明度がグンっとアップする時期です。日によっては20m以上も先まで見えることも少なくありません。また、春に生まれた魚の赤ちゃんが、秋には成魚になって魚影も濃くなる時期で、賑やかな水中を楽しむことができるのも秋の魅力なのです。

2.ダイバーの混雑を避ける事ができる

「オススメの時期は秋です」とは言え、やはり9月ぐらいまでの海にはダイバーで溢れかえっています。水中でもダイバーがいっぱいで、魚の数よりもダイバーの方が多かった…何てことも少なくありません。9月の連休が終わり、10月に入るとダイバーの数が減ってきますので、この時期を狙ってみてはいかがでしょうか。

3.講習の予約が取りやすい

秋から冬にかけてはダイビングショップでの講習スケジュールが立てやすい時期でもあります。ダイビングを始める方が一番多い時期は夏(6月~9月)です。この時期は講習の予約も取りづらい時期でもあります。

しかし、10月以降でしたら比較的混雑も緩和されますので、ご希望のスケジュールで受講することもできるでしょう。

また、夏の混雑時期は講習の人数比も多くなる場合がありますので、自分のペースで受講することも難しくなるかも知れません。しっかりと学ぶためにも混雑時期を避け、10月以降で受講することをオススメします。

このような理由から、秋(10月~11月)はダイビングを始めるのにベストシーズンとも言えるでしょう。

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まとめ

まとめ

ダイビングは夏のレジャースポーツではなく、通年で楽しむことができるということを知っていただけましたでしょうか?

同じダイビングポイントで潜っても、季節により海の中の様子は全く違う姿を見せてくれます。ぜひ、ダイバーになったら季節を問わず様々な場所でダイビングを楽しんでください。

マレアでは、各季節でダイビングを楽しんでいただけるように、ウエットスーツはもちろん、ドライスーツのレンタル品も数多くご用意しています。春夏秋冬どの季節からでもダイビングライセンス講習をスタートでき、ダイビングライセンスを持っている方に向けた季節ごとの魅力的な場所へのダイビングツアーも1年中開催しています。

その時期の旬な海の中をのぞいてみませんか?今まで気付かなかった海を知るキッカケにもなりますよ!

PADIマスター・スクーバ・ダイバー・トレーナー
吉田 岳史(TAKESHI YOSHIDA)

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