ダイビングのライセンス取得は難しい?合格率や取得までの日数を紹介
更新日:2023.12.19.Tue   投稿日:2023.12.13.Wed目次
ダイビングライセンスとは、これからスキューバダイビングを始めようとしている方にとって欠かせないものです。取得することでバディを組み、個人で海に潜ることが可能になったり、水深の深い場所でダイビングを楽しんだりすることができます。また、安全にダイビングを行うための知識や経験を、ライセンス取得時に身につけることが可能です。このようにライセンスは、ダイビング技術向上や、知識の増幅、安全性を高めるため非常に重要な役割を果たしています。
そこで今回は、これからライセンスを取得する皆さんに向け、取得までの流れや合格率、合格に必要なダイビング知識について紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
ダイビングライセンスとは
まずは取得するライセンスについて、しっかりと理解を深めましょう。
ダイビングのライセンスとは
実はダイビングのライセンスは潜水士のような国家資格ではありません。民間のダイビング指導団体が認定する資格です。最も一般的なダイビングライセンスの正式名称は「Cカード」といい、取得することでダイビングに必要な知識や技術を習得したことの証となります。
Cカードには様々な種類があり、取得レベルごとに潜れる深度が異なったり、より専門的な知識や技術が必要とされたりします。民間の指導団体は数多く存在し、その中でもPADIは世界シェア7割を占め、最も有名です。PADIでは初級者〜上級者に向けてライセンスを数多く用意しており、自分のレベルに合わせてステップアップすることが可能です。
PADIのダイビングライセンス一覧
ライセンスにも様々な種類が存在することが分かりました。ここでは例として、PADIで取得することができるライセンスを一挙ご紹介します。
【初級者】オープン・ウォーター・ダイバー
安全にスキューバダイビングを楽しむため、必要な知識と基本的なスキルを身につけることができるコースです。
【初級〜中級者】アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー
様々なダイビングを体験することにより、技術を向上させ、ダイビングの新しい魅力を発見することができるコースです。
【中級者〜上級者】レスキュー・ダイバー
ダイビング中のトラブルについて、予防策や対応法を学び、ダイバーとしての心構えやスキル向上に注力するコースです。
【上級者】ダイブマスター
ダイビングにおけるプロフェッショナルを目指すコースです。知識と経験をさらに磨き、ダイビングの魅力を他のダイバー達に伝えていく役割を持つことができるようになります。
【全階級】スペシャルティ・コース
特定の分野でのダイビング(ディープダイブやボートダイブなど)や、特殊なダイビング器材(ドライスーツや水中スクーター、水中カメラなど)の使い方を身につけ、ダイビングの幅を広げるコース。また、環境について学べるもの(サンゴ保護、サメの保護)もあり、海という環境に対しての知見を深めることも可能。
自分のレベルや、目指すダイビングスタイルに合わせて取得するライセンスも変わってきます。今後どういうダイバーになりたいかを考えておくと、より効率的にスキルアップしていけるでしょう。
ダイビングライセンスの合格率は?
ここまでダイビングライセンスについて全般的な知識と、その種類について学びました。では、実際ライセンスを取得する場合、合格率はどの程度なのでしょうか。
ダイビングライセンスの合格率は95%以上
ダイビングライセンスは、ダイバーが安全に海で潜るために必要な知識と技術を身につけるために存在しています。そのため、テキストや動画に目を通し、真剣に実習に取り組めば簡単に取得できる資格です。ライセンスの種類にもよりますが、先述したPADIのオープン・ウォーター・ダイバーに関しては、まず落ちることのないコースといっても過言ではないでしょう。
ルールを守れない人は不合格になることも
簡単と言っても、合格率100%ではない理由として、実習時に体力が続かずリタイアしてしまったり、水に対して恐怖心があったりする場合は落ちてしまうことが挙げられます。また、インストラクターの指示に従わない、周りを顧みず泳いでしまうといった安全を脅かす行動をとった場合、ライセンス不認定になってしまう可能性があります。
ライセンス取得の際は「新しい知識や技術を正しく身につけよう」という志を持って取り組むことが非常に重要になります。簡単だからといって慢心せず、真摯に取り組みましょう。
ダイビングライセンス取得の流れ
それではいよいよライセンス取得について詳しく見ていきましょう。最初に取得することになるオープン・ウォーター・ダイバーライセンスでは、流れとしては大きく分けて3ステップに分かれています。それぞれの内容と、実習時間についてご紹介します。
学科講習
内容:自宅にてテキスト教材を読み、各セクションの問題を解いていく。テキストに沿った映像資料がある場合はそちらも視聴しておく。
所要時間:5−6時間(テキストの進め方によって個人差あり)
プール講習
内容:受ける場所によって差はあるが、約50程度のスキル練習をプールにて行う。スキル練習には、10分間の立ち泳ぎ、200mの水泳などもある。
所要時間:5−6時間
海洋実習
内容:プール講習で練習したスキルを海で実践する。合計4回のダイビングを行い、じっくり学んだことを実践することができる。
所要時間:2日間(1日2ダイブ×2)
頭で理解する時間と、体で理解する時間をしっかり設けることによって、効率的にダイビングスキルを磨くことができます。ダイビングスクールによって実習期間が長くなる場合もありますが、大まかな流れは全て同様です。
ライセンス取得に必要な知識
最後に、ライセンス取得の鍵となる知識について学んでいきましょう。いくつかありますが、その中で最も基本的なものとして挙げられるのが、スキル習得に大きく関連するダイビング器材とハンドシグナルです。
ダイビングで使う器材の知識
ダイビング器材は、普段水中で呼吸することができない私たちにとって、生命線とも呼べる大事な物です。ライセンスを取得する際や取得後に遊びに行く場合は、ダイビングショップからレンタルすることが可能です。それでも、それぞれの器材についてある程度の知識を持って臨みましょう。
ダイビングスーツ
「ダイビングスーツ」は、ダイビング時に着用するスーツのことです。水は熱を奪いやすいという性質があり、陸にいる時と比べて20倍も早く体を冷やします。そのような状況下でも体の熱を逃さないよう、ダイビングスーツは欠かせません。
タンク
タンクとは、呼吸ガスが入っているもので「シリンダー」や「ボンベ」と呼ぶこともあります。「呼吸ガス」とは空気を圧縮したもので、さまざまな容量がありますが、一般的な10Lの呼吸ガスには約2,000Lの空気が入っています。
レギュレーター
「レギュレーター」とは、タンクから送られてくる空気の圧力を、周囲の圧力と同じレベルまで下げる装置のことです。タンクの呼吸ガスは200気圧という高い気圧で詰められるため、そのままでは呼吸ができません。そこでレギュレーターを用いて呼吸ができる気圧まで調整します。
フィン
「フィン」は水中を泳ぐ際に必要なもので、足に装着します。かかと部分のストラップでサイズを調節する「ストラップフィン」と、かかとまで包み込み、足との一体感がある「フルフットフィン」の2種類があります。高い推進力を持ち、海の中で自由自在に泳ぎ回ることができます。
ウエイト
「ウエイト」とは中性浮力を保つための重りで、ベストや腰回りに装着します。中性浮力とは水中で浮きも沈みもしない、均等に浮力がある状態のことです。ウエイトを装着し中性浮力を保つことで、楽に長時間ダイビングを楽しめます。
ダイビングで使うハンドシグナル
私たちは日常のコミュニケーションの中で「言葉」を使います。しかし水中という特殊な環境では声を発することができません。そのため、言葉に代わり意思疎通を行うためのスキルとして「ハンドシグナル」を使用します。
「ハンドシグナル」は手を使って簡潔に意思疎通を行うことができます。また、緊急時に異常を知らせるためにもハンドシグナルは必要です。「OK」や「分かりません」といった通常会話に加え、「エアーがありません」「耳抜きができません」といったサインも必ず覚えるようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。ダイビングライセンスは、基本的なルールを守れる人であれば誰でも取得可能であり、より安全にダイビングを行うための知識や技術を高めてくれるものであることが分かりました。
そして何より、ライセンスを持つことによって、潜れる場所の選択肢が増えたり、自分のダイビングスタイルに合わせてスキルアップしたり、幅広い楽しみ方を享受できるようになります。これからライセンスを取得する皆さん、ぜひ本記事を読んでライセンス取得に打ち込んでみてはいかがでしょうか。