ダイビング中に地震発生!?あなたのとるべき行動とは

更新日:2024.09.01.Sun   投稿日:2024.08.28.Wed

南海トラフの巨大地震注意が叫ばれる昨今、あなたはダイビング中に地震が起きた場合のことを考えたことはありますか?

東日本大震災からは地震=津波という意識が強くなり、海をフィールドとするダイバーにとって脅威なイメージがあります。

陸でさえ、いざとなるとどう行動したらいいかパニックになる地震ですが、海の中やその後に起こりえる津波に対してどう行動をとるべきでしょうか。

今回は地震時に備えたダイビング知識や対処法を紹介します。

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水中での地震の影響

ボートダイビング中のダイバー

ダイバーが水中で感じた地震の揺れ

東日本大震災やスマトラ沖地震など、大震災時に水中にいた複数のダイバーの証言では、地震発生時「ドン」という爆発音と、エンジン音のような「ゴゴゴゴゴ」と地響きが続くと言われています。

また、以下のような現象が起きたと言われています。

・水中生物が、居着いているダイビングポイントや、視界から突然消え失せる
・サンゴ、海藻が激しくゆれ動く
・海底の砂が巻き上げられ視界が悪くなる

これらのことを覚えておくとダイビング中の地震発生に気づくことができ、いち早く次の行動に移せるので、ぜひ把握しておいてください。

海藻の中を泳ぐダイバー

地震発生時の水中現象

津波のリスク

水の中にいると津波に巻き込まれて終わりのようなイメージがありますが、水深の深いところは津波の影響が受けにくいと言われています。

ただ実際は不明確なものであり、特にダイビングが趣味のレジャーダイバーの場合、潜っている海域は浅い水深が多いため、どれだけ早く陸へ上がれるかが肝になります。

東日本大震災時、3mの津波の到達時間が一番速かったところが、発生から30分後であると言われています。

それを踏まえると、30分以内にあなたがエキジット(水面に出る)から安全な避難場所まで辿り着くことができるかシミュレーションが必要です。

もし深場にいる場合は、緊急浮上ができないのでその場で動かずにいる方が良いといいますが、これは安全というよりも、浅瀬で津波に直撃するよりは水中にいた方がマシであるだけ、ということも把握しておきましょう。

ダイビング時の地震対策

ダイビングボートの波

事前の準備

ダイビングポイントから避難所までのルート確認を行いましょう。

近年はダイビングショップのホームページや、地域の情報サイトに掲載されていることが多いので、事前に情報を得ることができます。

離島などで正確な情報を得ることが難しい場合や、調べることを忘れていた場合は、当日にショップで情報を探したり、スタッフへ直接聞いたりして不安を解消しましょう。

災害時は基本的にダイビングショップのスタッフやガイドの指示に従いますが、はぐれたり、案内がなかったりと災害時はイレギュラーづくしです。

ダイビングポイント付近の避難場所や避難ルートなどを、あらかじめ把握しておきましょう。

もし避難場所まで遠い場合は、高台の場所も把握しておきましょう。

また、ガイドやバディとハンドシグナル(手話のようなもの)の確認をしておきましょう。

地震を表現するハンドシグナルの決まりはないようですが、両手ともに手のひらを上に向けてユラユラと揺らすガイド多いようです。ちなみに、手話で地震を表現するときは手のひらを上に向けて前後させる動きです。

ただ、地震を知らせることよりも、地震の際にどう行動をとるかの意思疎通が大事になります。

浮上するのか、引き返すのか、一旦留まるのか、相手の指示がすぐに理解できるように、一般的に使用しがちなハンドシグナルは覚えておくことをおすすめします。

ダイビング中の地震対策事前準備

ダイビング中の対応

<陸上の場合>

ダイビングの準備中、もしくはエキジット後の場合は海の目の前にいることがほとんど。
津波の危険があるので、速やかに近くの避難所へ向かいましょう。

自身の器材が心配ですが、我が身の安全が第一。あなたが生きていなければ水中を楽しむことはできません。
もしダイビングスタッフの指示や案内があればそちらに従い、なるべく慌てずに行動します。

<水中の場合>

地震だと判断しても勝手に急浮上するのではなく、ガイドやバディとどう行動するかを落ち着いて判断します。

特に相手が現地のプロガイドの場合は、現在地がどのような地形や潮の流れがあるのか把握済みなので、ガイドの指示に冷静に従います。

水深によってはそのまま留まるか、沖の方へ出ると判断することもあります。

え?浮上しないの?沖に行くの?と不安になりますが、津波の影響をモロに受けないようにするためであるということを頭に入れておきましょう。

水中である程度泳いだら、浮遊物に気をつけながら水面へ出ます。
BCD(水中浮力調整器具:ジャケット)に空気を入れ、水面に浮かびながら避難行動をとる船の助けを待ちましょう。

日本のレジャーダイビングの場合、ほとんどプロのガイドと一緒にいることが多いため、ガイドの指示に従う環境下になりますが、この一連の流れを知っているのと知らないとでは、次の判断や行動が大きく異なります。特に心のストレスの度合いが全く違います。

完璧に覚える必要はありませんので、ダイビング前に地震の対処法が気になった時はこの記事を振り返ってみてくださいね。

水面に出た後の行動

陸上の場合は上述と重なりますので、ここでは船上の場合を紹介します。

ウェットスーツやドライスーツは浮力になるので、脱がずに着用したままでいましょう。

こちらは船長やスタッフでの判断になりますが、場所によっては水深50m以深の沖合に避難します。

これは「沖出し」と呼ばれる海上における避難行動の一つです。

再三になりますが、このことを知っておくだけでも冷静な判断と行動をとることができますので、頭の片隅に置いておいてください。

ダイビング中の地震対策 水中

ダイビングポイントの避難ルート

大瀬崎の場合

大瀬崎の津波避難ビル

伊豆の代表的なダイビングスポット・大瀬崎で地震や津波に遭遇した場合の具体的な避難ルートは、沼津市の津波ハザードマップを確認しましょう。

大瀬崎では地震発生から津波到達の時間が10分以内の可能性が高いため、地震が発生した際にはすぐに裏山へ避難することが推奨されています。

ダイビング中やエキジット直後の場合は間に合わない可能性が高いので、器材をすぐに脱ぎ捨て、津波避難ビルに指定されている大瀬館の4階を目指しましょう。

大瀬崎には樹齢1000年以上の木があるため、過去1000年間で海岸の木が薙ぎ倒されるほどの津波は到達していません。大きな津波が入り込みづらい地形と言われていますが、ダイビングで利用する際には避難場所を確認しておきましょう。

大瀬崎の地震発生時避難場所

スキルアップで得る安心感

宮古島の東平安名崎に押し寄せる波

もしあなたがCカードを保持しているダイバーであれば、もうワンランクアップすることも災害対策につながります。

例えばダイバーの入り口であるPADIオープン・ウォーター・ダイバーの方は、次のステップであるPADIアドヴァンスド・オープン・ウォーターを受講することで、水深30mまでの水中環境の知識や、ボートダイビングのダイビングスキルを得ることができます。

PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーターダイバーの方はPADIレスキューダイバーを受講することで、緊急時の応急処置や水中捜索方法などダイビング中に感じる不安を解消するスキルを習得することができます。

レスキューダイバー以上の Cカードを持っていると、自分のスキルへの安心感とあわてない心構えができるため、緊急時だけでなく、日常のダイビング自体も余裕を持って水中世界を堪能することができますよ。

まとめ

台風の大波

災害に備えた知識と準備は、不安を軽減してくれるお守りでもあります。

特にダイビングの場合は海がフィールドなので陸よりも不安なイメージがありますが、ダイビング講習で、各コースに合わせた安全教育が徹底されており、ダイビングの各教育機関も安全対策への啓蒙を怠りません。

不用意に怖がり過ぎず、けれども自分は大丈夫だと過信せず、いざという時のために情報収集と必要最低限のルールや知識を備え、心に余裕を持って水中の世界を楽しんでください。

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